
2.インフルエンザワクチンの新しい形
インフルエンザの予防接種は、一般的に注射による接種が普及しています。しかし、阪大微生物病研究会と国立感染症研究所は、従来の皮下注射ではなく、鼻にスプレーをするだけでインフルエンザの感染を防ぐ「経鼻ワクチン」を共同開発し、実用化に近づいています。この経鼻ワクチンは、接種時の痛みがなく、乳幼児や高齢者などにも使えるため、ほかの病気の予防接種でも実用化が期待されています。
インフルエンザとは
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスが体内に侵入し、喉や気管支、肺で感染・増殖する感染症です。インフルエンザウイルスは、A型・B型・C型の3種類に分けられ、主に流行するのはA型とB型です。
インフルエンザの症状は、風邪のようなのどの痛みや鼻汁、咳などの症状がみられますが、38℃以上の高熱や関節通、全身のだるさなども同時に現れる特徴があります。また、小児ではまれに急性脳症が起こる場合があり、高齢者や免疫力の低下している人では肺炎を伴うなど重症化することがあります。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 179号」より抜粋