
2.インフルエンザワクチンの新しい形
(3)インフルエンザウイルスに対する経鼻ワクチンのしくみ
現在、日本で承認されているインフルエンザワクチンは「皮下注射」ですが、阪大微生物病研究会と国立感染症研究所が開発した「経鼻ワクチン」は、従来とは異なるしくみで体に作用し、高い効果を発揮すると期待されています。
*感染予防
従来の注射によるワクチンは、体内に入ったウイルスによる重症化を防ぐことが目的で、感染を予防することはできません。それに対して、今回日本で開発された経鼻ワクチンは、不活化ワクチンを鼻から噴射し、これが鼻や喉の粘膜から体内へ取り込まれると、免疫細胞の働きが活発になり、侵入したウイルスを捕まえる抗体を粘膜表面に大量に放出します。すると抗体が門番のように体内へのウイルスの侵入を防ぐことができるため、感染予防に役立つと考えられています。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 179号」より抜粋