(3)バイオテクノロジーの発展
近年、バイオテクノロジーの発展は急速に進み、食品をはじめ医療やエネルギーなどさまざまな分野で広く実用化が進められています。古くから行われてきたバイオテクノロジーの一つに「品種改良」と呼ばれていたものがあります。品種改良から遺伝子組み換えへ、そしてゲノム編集へとバイオテクノロジーの主流が変わってきました。それぞれの特徴と違いをみていきましょう。
*品種改良
品種改良とは、食物や家畜などにおいて、より人間に有用な品種を作り出す技術です。従来は、自然界で太陽光の紫外線などにより突然変異が起こるものを選択する方法や、よい品種同士の後輩をする方法などがありました。次第に、人為的に交雑、突然変異を発生させるため、遺伝子に放射線を当てて壊したり、特殊な薬剤を使用したりするようになりました。
その際に、ターゲットとなる遺伝子を狙って破壊することはできず、意図しない変異が起きたり、細胞が死滅したりすることもあります。そのため、何年もの月日をかけて度重なる品種改良を行い、新品種が完成するのです。

*遺伝子組み換え
遺伝子組み換えとは、切断したDNAの部位に別の生物の遺伝子を組み込むことで遺伝的性質の改良を行う技術です。自然界では誕生することのない生物をつくり出すことが可能です。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 179号」より抜粋