カイロプラクティックをはじめるなら│全国健康生活普及会(全健会)

トップページ > ノート記事 > 【2020年時における健康のための最新情報】その26
【2020年時における健康のための最新情報】その26

6.ゲノム編集技術がノーベル賞化学賞を受賞

(3)バイオテクノロジーの発展

*ゲノム編集

ゲノム編集とは、狙った部分のDNAを切断することができる技術です。1996年に生物がもっている酵素(ヌクレアーゼ)を使用した「ジンク・フィンガー・ヌクレアーゼ(ZFN)」が発明され、ターゲットとなる配列だけを切断することが可能になりました。

2010年には、植物の病原菌から開発された「ターレン(TALEN)」という手法が誕生し、ひとつの塩基を認識することが可能となりました。そして、2012年に登場したのがクリスパー・キャス9です。クリスパー・キャス9は、これまでの技術よりも短時間に低コストで効率よく使えることから、さまざまな分野でクリスパー・キャス9を用いた研究が進められています。

 

現在、ゲノム編集技術を用いた食品には、養殖しやすいサバ、GABAの多いトマト、アレルギー物質の少ない卵、収穫量の多いイネ、肉厚のマダイ、毒性のあるソラニンが少ないジャガイモなどがあります。また、医療の現場で進められている研究としては、白血病やエイズ(後天性免疫不全症候群)などの血液細胞や免疫細胞、遺伝子変異疾患の筋ジストロフィー、がんなどがあります。

一方で、人の受精卵を改変し、望ましい能力を備えた「デザイナーベビー」の誕生につながるなどの倫理的な問題も懸念されています。

ゲノム編集の発展により、農水産業や医療現場などで期待されるとともに、意図していない遺伝子の改変などが起きるリスクがあるため、国内、あるいは国際的にリスク管理を徹底する必要があります。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 179号」より抜粋
併せてお読みください!