1.「共感」で大脳辺縁系・大脳皮質を活性化! その1
大脳辺縁系で生まれる「心」は、瞬時に湧き上がる本能的な物であり、その人自身の性格を反映しています。性格は遺伝で約半分が決まっており、表面的な性格は変化できても、根本的な性格は一生涯あまり変化しないといわれています。しかし、さまざまな心の体験をすることによって、大脳辺縁系で生まれる心も少しずつアップデートされていきます。そのためには、さまざまな心(喜び・幸福感・怒り・恐怖・悲しみなど)を体験することが大切です。自分自身で体験することも重要ですが、共感することによっても大脳辺縁系、大脳皮質を共に活性化していくことができます。共感がどのように心を生み出す脳へ影響していくのか、みていきましょう。

共感には、「情動的共感」と「認知的共感」があります。情動的共感は、誰かが悲しみ涙を流している姿を見て、自分まで悲しくなるという他者の感情を共有することをいいます。それに対して、認知的共感は、相手と同じような感情を抱くのではなく、「相手は悲しんでいるのだ」と他社の心を理解するプロセスを指します。両者は、同時に起こることもありますが、一方のみが起こることもあり独立した過程と考えられています。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 194号」より抜粋