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健康記事/【2020年時における健康のための最新情報】その12
2.インフルエンザワクチンの新しい形

(3)インフルエンザウイルスに対する経鼻ワクチンのしくみ



*新型にも効果を発揮

インフルエンザウイルスは、常に構造が変化しており、構成する2種類のタンパク質の組み合わせによって100種類以上の「亜型」と呼ばれる種類が存在します。このため、毎年違うワクチンを注射しますが、従来のワクチンでは新型への効果は期待できないとされています。

経鼻ワクチンは、噴射した鼻や喉の粘膜表面に血中の抗体とは異なる種類の抗体「IgA」ができます。これはより複雑な形状をしているため、さまざまな種類のウイルスをとらえることができると考えられています。実際にH5N1という亜型に対応した経鼻ワクチンを接種したマウスにH3N2のウイルスを感染させる実験をしたところ既存のワクチンではすべてのマウスが死にましたが、経鼻ワクチンを接種すると8割が生き残ったという結果がでました。

 

アメリカでは、生ワクチンを使った経鼻ワクチン「フルミスト」がすでに使用されていますが、国内では未承認のため使用する場合は保険適用外となります。また、フルミストは毒性を弱めたウイルスを鼻に噴射する生ワクチンであるため、発熱などの副作用が出る場合もあり、2~49歳までしか使用することができません。今回開発された国産の経鼻ワクチンは、不活化ワクチンのため副作用の恐れが少なく、乳児や高齢者の使用に向いているといわれています。不活化ワクチンを使った国産の経鼻ワクチンは、現在国へ申請中ですが、人に対しての安全性と有効性を調べる治験は2019年7月に終了しているため、数年後には痛みを伴う注射をせずに、インフルエンザを予防できる日が来るといえるでしょう。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 179号」より抜粋
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