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【2020年時における健康のための最新情報】その22
5.がんの最新情報

(2)光免疫療法、新薬製造販売承認へ

厚生労働省の部会は2020年9月、従来の治療が効かなくなった頭頚部がん(口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、鼻・副鼻腔がん・唾液腺がん、甲状腺がんなど)の患者への新たな治療法となる「光免疫療法」で使う新薬「アキャルックス点滴静注」の製造販売を承認し、最終段階である臨床試験(治験)の結果を待たずに承認する特例制度を適用しました。光免疫治療で使う製品が承認されるのは世界で初めてです。近く正式に承認され、公的医療保険が適用される見通しです。

今回承認された新薬は、頭頚部に発生した扁平上皮がんが再発し、手術や放射線治療などの従来の治療が効かなくなった患者が対象です。扁平上皮がんは、頭頚部がん患者(年約2万8千人)の約9割を占めるとされています。

新薬は、がん細胞の表面にある特定の分子「EGFR(上皮成長因子受容体)」に結びつく性質の抗体と、近赤外光を当てると反応する性質の化学物質を結合させたものです。これを点滴で投与し、約24時間後に幹部に近赤外光を当てると、がん細胞に結合した薬と光が反応し、がん細胞が破壊されます。将来的には、食道がんや大腸がんへの応用も期待できるといわれています。現在は、日本を含む各国で最終段階の治験が進行中です。むくみや痛みといった副作用はあるものの、従来の薬物治療で起こり得る全身的な副作用はないと考えられています。



特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 179号」より抜粋
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