カイロプラクティックをはじめるなら│全国健康生活普及会(全健会)

トップページ > ノート記事 > 【2020年時における健康のための最新情報】その23
【2020年時における健康のための最新情報】その23
*写真はイメージです
6.ゲノム編集技術がノーベル賞化学賞を受賞

2020年のノーベル化学賞に、生物の遺伝子を簡単に書き換えるゲノム編集技術「クリスパー・キャス9(ナイン)」を開発した、プランク研究所のエマニュエル・シャルパンティエ博士と米カリフォルニア大バークレー校のジェニファーダウドナ教授の2名が受賞しました。

クリスパー・キャス9の技術は、2012年に発表された技術で、農水産物の改良や難病の治療研究、創薬などさまざまなところで活用が広がっています。

 

(1)日本人が「クリスパー」の発見者

クリスパー・キャス9の技術の確立には、九州大学の石野良純教授が発見した遺伝子の塩基配列がもととなっており、日本でも大変注目されています。

遺伝子は、「A(アデニン)」「T(チミン)」「C(シトシン)」「G(グアニン)」の塩基の配列によってさまざまな機能を持ちます。大腸菌の塩基配列を調べていた石野教授は、1986年に規則的に同じ配列を繰り返す部分があることを発見し、2002年に「クリスパー」と名付けられました。

クリスパーは、細菌がウイルスの攻撃から自らを守る免疫システムに関係していることも明らかになっています。DNAかRNAしかもたないウイルスは、細菌と違って自分自身で増殖することができません。そのため、生物の細胞に入り込み、細胞内の機能を使って複製をしていきます。細菌は、免疫システムを使ってウイルスの感染を食い止めなければなりません。そこで、キャスという「ハサミ」の役割がある酵素タンパク質を使ってウイルスのDNAを切断します。切断されたウイルスのDNAはクリスパーに取り込まれ、細菌はその情報を記憶します。細菌がウイルスに再感染すると、記録した情報をもとにしてウイルスを特定し、ウイルスのDNAを攻撃するのです。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 179号」より抜粋
併せてお読みください!