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【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その2
1.調理の科学

*食材の細胞膜と浸透圧の関係

食材は、多くの細胞によってつくられています。細胞は、さまざまな成分の詰まった袋のようなもので、この袋の外側の部分を細胞膜といいます。細胞膜は、水のような小さな分子は通しますが、水に溶けている大きな分子は通さないという特殊な性質があります。

例えば、細胞を食塩水に浸した場合、水は細胞膜を通り抜けることができますが、そこに溶けている食塩は膜を通って細胞の中に入ることができません。このように溶液の濃度によって通したり通さなかったりする膜を「半透膜」といいます。半透膜では、膜の内側と外側とで溶けている成分の濃度が異なると「薄い方から濃い方へ」と水が移動し、両方の濃さを揃えようとする力が働きます。この力のことを「浸透圧」といいます。


例えば、ある野菜の細胞内の塩分濃度よりも塩分濃度が低い水道水に浸しておくと、浸透圧により、水が細胞内に吸収されパンパンに膨れるのでハリが生まれ、みずみずしい状態になります。レタスなどを切った後、水に浸しておくと見た目や食感がよくなるのはこのためです。

反対に、野菜に塩をふると、表面についた水分に塩が溶け、濃い塩水ができます。これにより野菜の外側の塩分濃度が高くなるため、これを調整しようと浸透圧が働き、野菜の内側から外側へと水分がしみ出してきます。例えば、切った野菜にそのままドレッシングをかけてしばらく放置すると、野菜から水分が出てきてびちゃびちゃになり、味が悪くなるのは浸透圧の影響です。生野菜を調理するときは、あらかじめ野菜を塩もみして水分を出してから味付けをすると、水っぽくならずによい状態で食べることができます。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
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