カイロプラクティックをはじめるなら│全国健康生活普及会(全健会)

トップページ > ノート記事 > 【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その5
【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その5
3.調理の基本「加熱」による食品の変化
〈栄養素の熱変性〉
 加熱によって、食材中の物質が変化することを熱変性といいます。タンパク質と糖質(デンプン)の変化についてみていきましょう。



①加熱によるタンパク質の変化
*構造の変化
 タンパク質は、多くのアミノ酸が鎖のようにつながったひも状の構造(一次構造)が複雑に折りたたまれた立体的な構造をしています。この立体構造は、アミノ酸とアミノ酸の間に働く「水素結合」という力で保たれていますが、熱にさらされると水素結合が切断され立体的な構造が破壊されてしまいます。(一次構造は破壊されません)そして、一度破壊されると元に戻ることは不可能です。これをタンパク質の「熱変性」と呼びます。熱変性によってタンパク質の立体構造が崩れると、大きな二つの変化が起こります。
 一つ目は、タンパク質の「凝固」です。例えば、卵を加熱して茹で卵にするのは、典型的な熱変性です。卵白と卵黄では変性温度が異なり、卵黄の方が組成が複雑な分だけ低温で編成します。そのため、80℃程度の低温で長時間おくと、デリケートな卵黄だけが固まった温泉卵になります。
 二つ目は、消化への影響です。タンパク質は、熱変性させることで消化酵素(ペプシンなど)による分解を受けやすくなり、消化しやすくなります。熱変性していないタンパク質には消化酵素が働きにくいため、生肉や生卵は消化に悪いといわれています。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
併せてお読みください!