〈栄養素の熱変性〉
- 加熱によるタンパク質の変化
タンパク質を多く含む代表的な食材は肉です。肉のタンパク質は、加熱によって色素の変化が起こります。
肉の赤い色は、ヘモグロビンとミオグロビンが関係しています。ヘモグロビンは血液の色素タンパク質で、酸素の運搬を行っています。ミオグロビンは、筋肉中の色素タンパク質で、酸素を蓄える働きをしています。肉は処理の過程で血抜きを行うため、肉の赤い色は主にミオグロビンによるものです。
処理した肉の色は、ミオグロビンによって本来は暗赤色をしています。しかし、スーパーなどで見かける肉の色が鮮赤色に見えるのは、ミオグロビンが空気に触れてオキシミオグロビンに変化しているからです。また、肉を加熱すると、一般に灰褐色になりますがその理由は、加熱によってグロビン(タンパク質)が熱変性を起こし、色素の保護作用を失って参加が進み、メトミオグロモーゲン(灰褐色)になるからです。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋