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【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その11


(1)日本食に欠かせない「発酵」のしくみ

<発酵食品をつくるための条件>

②温度

温度は、微生物の活動をコントロールする上で重要な要因です。基本的に高温で殺菌作用が、低温で静菌作用があります。種類によって異なりますが、微生物はある一定の温度範囲でしか成育し、増殖することができません。

最近の増殖に最も適した温度は、菌種によって異なりますが、一般的に30~40℃を至適温度とする菌が多いです。発酵に多く使われる乳酸菌は37~45℃で活発になります。また、酵母は最適温度が35~38℃で、55℃以上では死滅。発酵に多く使われるカビ(麹菌)の最適温度は25~30℃で、50℃前後で死滅します。

③塩分

発酵食品の製造において、塩分を加える目的は腐敗菌の活動を抑えることです。ほとんどの腐敗菌は、塩分濃度が15%を超えると生育できなくなります。しかし、耐塩菌は生存可能です。代表的な耐塩菌は乳酸菌。塩分濃度の高い環境でも発行が可能なため、腐敗菌を抑えつつ、発行を進めることができます。乳酸菌による発酵が使われている味噌、醤油、漬物などの塩気のある発酵食品は、高い塩分濃度で保存性を高めています。

④ph

物質の酸性、アルカリ性の度合いを示す数値をphと言います。Ph7.0が中性となり、これより数値が小さければ酸性、大きければアルカリ性となります。Phは、微生物の活動の要因の一つであり、温度や水分活性などの条件が一定であっても、食品のphをコントロールすることにより、ある程度微生物の活動をコントロールできます。

 

以上4つの条件をうまくコントロールし、発酵食品を生み出しているのです。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
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