<代表的な発酵食品>*麹菌による発酵食品「麹」
・味噌の発酵
味噌をつくる微生物は麹菌が主役ですが、そのほかに乳酸菌と酵母も活躍しています。
味噌は、使用する麹によって米味噌、麦味噌、豆味噌に分類することができます。豆味噌であれば「麹・大豆・塩」を混ぜ合わせ、3か月~1年ほど発酵・熟成させてつくります。その間になにが起こるのでしょうか。

まず、麹の中の麹菌が、酵素を生産し大豆の糖質(デンプン)とタンパク質を分解します。デンプンは、グルコースに分解され、豆の甘味や乳酸菌、酵母の餌に変わります。
次に、空気中や麹についていた乳酸菌や酵母が、グルコースやアミノ酸を餌に集まります。乳酸菌は、乳酸発酵により酸をつくり、味噌の味を引き締めるとともに、腐敗菌の増殖を抑えます。そして、乳酸発酵が進むほどにpHが酸性になり、酵母が活動しやすい環境になります。そして、酵母は発酵により味噌の香りや風味をつくります。
このように麹菌や乳酸菌、酵母の発酵の力によって、酵素やアミノ酸などの物質がつくられ、おいしい味噌がつくられているのです。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋