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【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その21
3)「燻製」は香り付けだけではない?

燻製とは、木材(チップ)を燃やした際に発生する煙を、塩漬けにした肉や魚、乳製品などの食品に当て、煙を付着・浸透させることで、煙の香りや殺菌成分を食品に添加することをいいます。この工程によって、食品の「保存性・香り・発色」が高まります。かつては、長期保存を可能にするための方法でしたが、冷蔵技術が発達した現代では、保存食としての役割よりも風味付けとしてより豊かな味わいを楽しむ嗜好品に変わってきました。

 

〈燻製のしくみ〉

燻製の手順は、「塩漬け」にした食材を「乾燥」させた後、桜やブナ、ナラキなどの木材(チップ)を燃やした「燻煙」でいぶします。

塩漬けと感想の工程では、食塩の脱水作用と乾燥により、食品の水分活性が低下し腐敗菌の活動を防ぐことで保存性が高まります。



燻煙には、木材(チップ)を加熱することで発生する「カルボニル化合物(ホルムアルデヒドなど)」や「フェノール系化合物(フェノールなど)」などの物質が含まれています。これらの物質は、非常に高い抗菌・殺菌成分として防腐効果があり、煙を浸透させることで、食品の中のタンパク質と反応して微生物が死滅するため、食材が腐りにくくなります。さらに、食品の表面のタンパク質と結合することで強い皮膜(樹脂膜)をつくり、外部からの細菌の侵入を防ぎます。また、これらの成分が樹脂膜に付着することで、独特な香りと茶褐色を呈するようになります。

 

・燻製の種類

燻製の方法には、主に冷燻法・温燻法・熱燻法の3つの方法があります。一般的に燻製という場合は温燻法を指す場合がほとんどですが、アウトドアなどで簡単にできるものは、調理時間の短い熱燻法です。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
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