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【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その9
*「脳を操る」神経伝達物質
(2)どうして依存症になるの?「ドーパミン」



〈依存症・覚せい剤〉
ドーパミンの報酬を求めるが故に、人生をも狂わせてしまうのが覚せい剤です。覚せい剤は、構造がドーパミンに似ているため受容体を騙して結合してしまいます。通常、脳内で産生された神経伝達物質は、受容体へ結合した後、すぐに分解され離れるようになっていますが、覚せい剤は受容体へ結合したまま留まり信号を伝え続けます。そのため、異常な快楽を感じるようになるのです。
また、覚せい剤はドーパミンに扮するだけでなく、ドーパミントランスポーター(放出されたドーパミンを再取り込みする場所)に蓋をし、放出されたドーパミンの再取り込みを阻害します。そのため、シナプス間隙に多量のドーパミンが溜まることになり、脳内のドーパミン濃度が高くなるのです。その結果、強い興奮や快感を感じるようになります。
 さらに、ドーパミンの分泌が過剰になると、幻覚や妄想が起きるようになります。これはドーパミンの過剰が原因で起こる「統合失調症」と同様の症状です。

*覚せい剤の使用料が増えていくのはなぜ?
脳内では、神経伝達物質のバランスを常に保とうという働きがあり、ドーパミンのような興奮側に作用する薬を一定量摂取すると、それを抑制するように働きます。そのため、しばらくするとその量を摂取した状態で“バランスが取れた状態”となり、同量では興奮作用が抑制されて効かなくなってしまいます。これを耐性といいます。耐性を獲得すると、今までより量を増やさないと同じ効果が得られなくなります。
ここで摂取を中止すると、バランスが抑制側に傾いてしまい、禁断症状が現れるようになるのです。こうしてどんどん使用量が増えていってしまうのです。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 181号」より抜粋

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