カイロプラクティックをはじめるなら│全国健康生活普及会(全健会)

トップページ > ノート記事 > 【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その10
【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その10
*「脳を操る」神経伝達物質
(2)どうして依存症になるの?「ドーパミン」

〈パーキンソン病〉
 60歳以上の高齢者に多く発症する脳の病気の1つがパーキンソン病です。1817年、イギリスのジェームス・パーキンソンが初めて報告したことでこの名がつけられました。日本人では10万人当たり100~150人程度が発症すると推測されています。パーキンソン病の主な症状は、運動機能の障害です。体の動きが鈍く、手足が震えるようになり、顔の表情も乏しくなるほか、歩くとき前かがみになり転びやすくなります。そして、症状が進行すると歩行不能になってしまいます。
 パーキンソン病の原因は、脳幹にあるドーパミンを分泌する神経核の黒質が変性し、死滅するためだといわれています。しかし、なぜ黒質が変性するのかは分かっていません。黒質からは、ドーパミン神経系が運動機能に関係のある大脳基底核の「線条体」へ伸びていますが、黒質が変性してしまうことで、線条体でのドーパミンの放出が減少してしまいます。その結果、パーキンソン病特有の症状が現れると考えられています。
 パーキンソン病の治療では、ドーパミンを補充する薬物療法が選択されます。しかし、ドーパミンを直接摂取してもドーパミンそのものは血液脳関門に遮断され脳まで届かないため、ドーパミンの前駆物質が使われます。前駆物質であれば脳に入ることができ、脳内でドーパミンに変化するからです。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 181号」より抜粋

併せてお読みください!