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【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その14
2.体のストレス対処力
(2)体の対処力「体温」

*「感染症ストレス」に対する対処
体温の恒常性に影響を及ぼすストレッサーとして著しいものは「感染」です。感染時には、視床下部の体温調節中枢による体温調節のセットポイント(体温の設定温度)を正常よりも高いレベルにずらすことで発熱を起こしています。



その仕組みとしては、体内に細菌やウイルスなどが侵入すると、単球やマクロファージなどの免疫細胞から発熱物質として作用するインターロイキンやインターフェロンなどの「サイトカイン」が放出されます。サイトカインが視床下部の体温調節中枢に作用することで、「プロスタグランジン」という生理活性物質が産生されます。プロスタグランジンは、体温調節中枢のセットポイントを上昇させ、その結果、外気温が低くないにもかかわらず体内の産熱機能が高まり、放熱機能が抑制されます。そのため発熱時には、悪寒や震え、皮膚血管の収縮などが起こり体温が上昇するのです。
発熱による体温上昇は、多くの病原菌の増殖を妨げる一方、抗体産生能を亢進するなど免疫細胞の働きを活性化します。このように、発熱をすることで感染というストレッサーから体を守り対処していることが分かります。ただし、発熱時でも体温が40℃以上になることはほとんどありません。体温が41~42℃を超えないようにする仕組みが働いているからです。発熱の原因が取り除かれると、亢進した産熱機能は元に戻り、放熱機能が高まることで発汗が起こって体温は元に戻ります。
精神的なストレッサーに対しても、体温の上昇が起こり発熱が続くことがあります。これは、本来体温調節をあまり行う必要がない刺激に対して、感染症などと同じように体が対処を行ってしまうためです。こうした精神的なストレッサーの場合、感染症のように炎症反応を伴わないため、血液検査をしても原因が分からないことがよくあります。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
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