カイロプラクティックをはじめるなら│全国健康生活普及会(全健会)

トップページ > ノート記事 > 【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その17
【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その17
2.体のストレス対処力
(3)体の対処力「血糖値」その3

*ストレス対処ホルモンの代表「コルチゾール」
試験の際の緊張など精神的なストレッサーだけでなく、痛みなどの身体的なストレッサーによっても、血糖値を上げるホルモンの分泌が高まり血糖値が上昇することが分かっています。



例えば、ストレス状態では、副腎皮質から出るグルココルチコイドの分泌が亢進します。グルココルチコイドの一つである「コルチゾール」は、高ストレスホルモンとも呼ばれ、ストレス状態から身を守るために、血糖値や血圧を上げ、脳を活性化させるほか、炎症を抑える働きもあります。コルチゾールの血中濃度は通常、早朝は高く、正午に向かって低下し、昼食後一時的に上昇して再び低下するという日内リズムを示します。ところが、ある実験で、午前中に被験者に数字を覚えさせるような短期記憶テストを繰り返し与える精神的ストレッサーを加えると、正午に向かって下がるはずの血中コルチゾール濃度は低下せずにむしろ上昇しました。また、騒音環境下で精神的ストレッサーを負荷すると、さらに著しく血中コルチゾール濃度は上昇することが分かっています。
また、外科手術などの身体的ストレッサーにおいても、手術開始直後から血中のコルチゾール濃度が顕著に上昇します。上昇したコルチゾール濃度は胆のう摘出手術などでは術後1日くらいで元に戻りますが、胃全摘などの腹部大手術では術後3日間は高い値が続くことが分かっています。
このように、ストレス状態のときには、コルチゾールやアドレナリンなどの分泌が高まり血糖値を上昇させます。もちろん血糖値の上昇を必要とする場面もありますが、現代は飽食の時代であり糖は取り過ぎといわれるくらいの傾向にあるため、不安や怒りなどのストレッサーに対しその都度血糖値の上昇が起これば、それこそ糖尿病のリスクにも成りうるのではないかと考えられます。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
併せてお読みください!