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【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その19
2.体のストレス対処力
(4)体の対処力「血圧」

*「血液量減少ストレス」に対する対処
血圧は血液量によって変動します。出血などで血液量が減少し、心房に流入する血液量が減少すると、血圧の低下を圧受容器が感知し、その情報が延髄の循環中枢と視床下部に伝えられます。その結果、下垂体後葉からの「バソプレッシン(抗利尿ホルモン)」の分泌が増加します。バソプレッシンは腎臓に作用して尿量を減らします。
また、血液量の減少は、直接、腎臓の糸球体近接細胞を刺激し「レニン」という酵素を分泌させます。圧受容器で感知された血液量減少の情報も、反射的に交感神経の活動を優位にさせ、レニンの分泌を引き起こします。



複雑な仕組みになりますが、レニンは、まず血液中に溶けているタンパク質の一種である「アンジオテンシノーゲン」を「アンジオテンシンⅠ」に変化させます。アンジオテンシンⅠは、アンジオテンシン変換酵素により「アンジオテンシンⅡ」になり、さらにアンジオテンシンⅡは副腎皮質に作用して「アルドステロン」を分泌させます。アルドステロンは、腎臓に作用して尿中へのナトリウムと水分の排泄を減らして尿量を減少させます。また、アンジオテンシンは、視床下部に作用して喉の渇きを引き起こし、飲水量を増大させます。
こうした複雑な作用により、命を繋ぐ上で必要不可欠な血液を元の量に戻し血圧を高めるという対処を行っています。血液量の調節は、分単位、長い時には日単位で作動しています。
古代の生活を考える上では、猛獣から逃げたり、獲物を捕まえるためなど脳や筋肉に瞬時に血液を送る場面に備えたり、また、酸素や栄養素を全身の細胞に送り届けるために、血圧を上げる仕組みが多く存在しています。
現代においても身体的なストレッサーに対しては適していますが、精神的なストレッサーに関しては、ストレス状態が長く続くことで、循環器系に影響を及ぼし、高血圧や動脈硬化の原因ともなるため、体に負荷をかけてしまっているともいえます。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
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