(1)疲労ストレスの対処法「睡眠」
〈睡眠が脳と体にもたらす目的〉
私たちは、睡眠不足になると元気がなくなるだけでなく、集中力や判断力、記憶力などが低下し、イライラしやすくなったりします。また、眠いはずなのに眠れない、早く寝ようと布団に入ったのに結局のところなかなか寝付けないという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これらは自律神経のバランスが乱れ、脳が疲れている証拠です。

私たちが睡眠をとる目的は、脳や体を休め回復させるだけではなく、脳内の情報整理、記憶の定着や消去、感情の整理、さらには、脳や体の活性酸素の除去にも深く関係しています。眠気を誘発する睡眠ホルモンの「メラトニン」には、高い抗酸化作用があるため、活性酸素の働きを抑え疲労回復を促してくれます。
つまり、私たちは日々、膨大な量の情報やストレッサーにさらされていますが、睡眠によって頭の中を整理し、疲労物質の蓄積を防ぐことができるのです。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋