1.心の病気は「どこで・誰に」相談するべき?
「ストレスの対処法と治療法」をテーマにして、専門的な立場からのアプローチや自分や周囲の人でもできる方法などについて紹介していきます。
まずは、心に異変を感じたときに「どこで・誰に」相談することが適切なのか、精神科と心療内科の違い、心のケアに携わる専門家について学んでいきましょう。

(1)精神科と心療内科の違いとは?
心に異変を感じて医療機関にかかろうと考えた場合、精神科と心療内科の2つが思い浮かぶと思います。どちらを選ぶのが適切なのでしょうか。この2つの医療機関は、どちらも心の病を治療する診療科です。ただし、大きな違いとして次のように分類されます。
*精神科
Q 何を診てくれる?
A 心の状態が原因で「心」に症状が現れる「心の病気」を治療する。
Q 誰が診療してくれる?
A 精神科医
*心療内科
Q 何を診てくれる?
A 心の状態が原因で「身体」に症状が現れる「心身症」を治療する。
Q 誰が診療してくれる?
A 精神科医もしくは内科医
上記のように、いずれも心の状態が原因で起こる病気を治療しますが、精神科は「心の病気」を治療し、心療内科は心が原因で発症した「心身の病気(心身症)」を治療するという大きな違いがあります。ただし、心療内科と精神科の棲み分けは、必ずしも明確なものではないということを頭に入れておきましょう。
また、「神経内科(脳神経内科)」という言葉を目にすることがありますが、神経内科は、基本的に心の病気は扱っていません。神経内科とは、脳や神経、脊髄などの病気であるパーキンソン病や神経痛、脳梗塞などを扱う診療科です。似たような名前の診療科が多いため、注意が必要です。
次週から、神経科と心療内科についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋