1.「共感」で大脳辺縁系・大脳皮質を活性化! その2

情動的共感では、大脳辺縁系の扁桃体などが主に関与し、認知的共感では、大脳皮質の前頭前野などが主に活発に働きます。情動的共感は、特に自分にとって身近な人でより強く現れる傾向にあります。また、認知的共感では、大脳皮質の前頭前野が発達することにより、他者視点で物事を捉えることができるようになります。人は、他者の考えや意図を推測する際に、他者視点ではなく、自己視点の情報影響が優位になりがちであり、誤った推測をする可能性があります。しかし、認知的共感では、他者に起きていることと自分自身に起きていることを区別して考えることが必須であるため、前頭前野は、自己視点からの情報を抑制し、他者の考えや意図の推測を助けるように働くことが分かっています。この他者の視点に立って考えることで生まれる認知的共感は、人間特有の能力といわれています。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 194号」より抜粋