3.「運動」で大脳皮質を活性化! その2
●心の安定にはウォーキングとランニングのどっちが効果的?
ストレスを解消し、不安をより軽減したいのであれば、ランニングがおすすめです。ウォーキングまたはランニングを週に数回、疲れない程度に行った場合、不安感を軽減することが出来、その効果は運動した直後だけでなく約1週間続くことが分かっています。どちらも効果があるものの、ランニングの方がより不安解消効果が高いことが分かっています。

なぜランニングの方が不安解消効果が高いのでしょうか。不安やストレスに体がさらされた時には、次のような一連の流れが起こります。不安になると脳はこれから悪いことが起こるはずだと解釈し、心拍数や血圧を上昇させ、体がいつでも「闘争・逃走」できるよう態勢を整えます。この心拍数の増加などは、運動によっても同様に引き起こされます。運動をして鼓動が早くなっている状態であっても、運動後には脳内で快感を覚えるエンドルフィンやドーパミンなどの神経伝達物質が分泌されており、気分は晴れ晴れとしているでしょう。つまり、体を動かすことで、心拍数がたとえ上がったとしても、それは不安やパニックの前触れではなく、良い気分をもたらすものだと脳に教え込むことができるのです。
また、無酸素運動よりも有酸素運動の方がストレスが軽減されやすく、心の回復に繋がることが分かっています。少なくとも20分、体力に自信があれば30~45分を週に2~3回行うことが効果的です。運動を継続し、大脳皮質の前頭前野の働きを促進させることで心の安定をサポートしていきましょう。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 194号」より抜粋