戦後の国民の生活水準に関しては、高度経済成長がはじまったことにより、テレビや冷蔵庫、電気洗濯機の三種の神器が普及しました。冷蔵庫は昭和初期にはありましたが、庶民の家にはなかなか手が出せるものではなく、1960年代になって爆発的に普及していきます。また、ガス整備により、炒め物、揚げ物などの調理が手軽にできるようになりました。食生活やライフスタイルの変化とともに、暴飲暴食、不規則な生活、運動不足などにより、戦前まで少なかった糖尿病、痛風、脂肪肝、大腸がんなどの生活習慣病のほか、アレルギー、膠原病などの免疫異常による疾病も増加しています。
このように、昭和から平成にかけて食生活の欧米化やライフスタイル、衛生状態など私たちを取り巻く環境が大きく変化したことで、患う病気も変化をしてきているのです。病気を予防するためには、もう一度日本食の歴史を振り返り、日本人に適した食生活を再検討していく必要があります。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 175号」より抜粋