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【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その19
第三章 レッツ脳トレ!

神経伝達物質のドーパミンを分泌させることが脳の活性化のカギとなります。ドーパミンが分泌され意欲が沸き、それにより感情が動き、その目標を達成するためにはどうしたらよいかと考え、実際に行動に移すことは、大脳や小脳への刺激となり、脳の広範囲を活性化することができるのです。そのため、今まで興味がなかったものでも、まずは「やってみる」ことが必要となります。そして、行動の結果「楽しい」と感じると、さらに意欲が高まり脳の活性化を継続させることができます。



次週以降の第三章では、おすすめの脳トレについてご紹介します。脳トレといえば、計算ドリルやパズルなどのイメージがあるかもしれませんが、同じ作業を単純に繰り返すだけでは、脳の限られた部分しか刺激されないため、十分な効果が得られないといわれています。そこで、今回は脳の広範囲を刺激するトレーニングをご紹介します。そのなかで、「やってみよう」「楽しそう」と感じるものを、ぜひご自身の生活に取り入れて、脳を活性化させましょう。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その18
第二章 脳を活性化させよう!
5_脳活5~脳をしっかり休ませよう~
*質の良い睡眠をとるために

質の良い睡眠をとるためには、日中に活動をして交感神経を優位にさせ、夜はゆっくりして副交感神経を優位にさせるというメリハリが大切になります。睡眠の悩みを抱えている高齢者は多いですが、それは眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌が減少するだけでなく、若い年代と比較して日中の活動量が減少することで、昼間と夜間のメリハリがなくなるということも要因の一つです。そのため、高齢者ほど、意識をして日中にウォーキングや体操などを行い活動量を増やすことが必要となります。また、私たちは一旦上がった体の中心の温度である深部体温が下がる時に眠くなるため、就寝時間の1~2時間前に入浴をすることや、寝る前に軽いストレッチを行うこともおすすめです。



そして、時間と気持ちの余裕をもって布団に入ることも重要となります。寝る前に考え事をしていていたら、目が冴えてしまったという経験をしたことがあるかと思います。これは、脳が活発に動くことにより交感神経が優位になるためです。また、寝付けないと感じたら一度布団からでることも重要です。布団の中で覚醒している時間が長いと、脳は「布団は起きている時にいる場所」と勘違いをして、布団に入っても眠くなりにくくなるといわれています。そのため、スムーズな入眠には「布団は眠る場所」と脳に覚えさせることが大切で、眠くなってから布団に入って、入眠するという習慣づけが必要です。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その17
第二章 脳を活性化させよう!
5_脳活5~脳をしっかり休ませよう~



脳を活性化させるためには、まず、脳が健康でなければいけません。そこで欠かせないのが脳を休める睡眠です。私たちは眠っている時、浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りであるノンレム睡眠を繰り返しています。浅い眠りであるレム睡眠は、主に体が休む時間であり、脳の一部は働いています。この時、大脳や海馬は起きている時と同程度に働いており、記憶の整理を行います。脳は溜めておける情報量の上限があるため、不要な情報を捨て、記憶を定着させるための神経回路がつくられていきます。そして、深い眠りであるノンレム睡眠では、脳のほとんどが休んでいる時間帯です。この時、神経細胞の修復やシナプスの再生が行われています。また、日中に刺激を与えた部分のシナプスのネットワークの強化なども行われています。そのため、脳をしっかりと休ませるためには深く眠ることが大切になります。睡眠の時間は1日の1/4~1/3を占めていますが、脳の健康を保つためには、それほどの時間が必要なのです。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
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【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その16
第二章 脳を活性化させよう!
4_脳活4~脳まで栄養を届けよう~
*DHAは、神経細胞を守っている

DHAは、神経細胞膜に含まれている脂質と結合することで、神経細胞膜を安定化させることができるとされています。そして、神経細胞の機能の維持やシナプスの生まれ変わりの促進にかかわっているといわれています。



実際に、魚の摂取頻度が多いまたは血中の不飽和脂肪酸の量が多い人は、少ない人と比較して脳萎縮が少ないという報告があります。しかし、DHAを多く摂れば摂るほど脳の老化を防ぐという報告は少なく、もともとDHAの摂取量が不足していた人が十分に摂ることで、認知機能の低下の軽減につながったという報告が多く挙げられています。そのため、DHAが不足しないような食生活を送ることが大切となります。また、DHAは脂質であることに変わりないため、過剰に摂取すると肥満につながる恐れがあります。DHAは、サバなどの青魚に含まれている脂質であることから、肉に偏った食生活ではなく、魚を選ぶようにするのがおすすめです。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その15
第二章 脳を活性化させよう!
4_脳活4~脳まで栄養を届けよう~
*脳の主成分は脂質

脳の主なエネルギー源はブドウ糖ですが、脳の主成分は脂質であるため、認知機能の維持には脂質が必要不可欠です。特に脳に良いとされる脂質はn-3系脂肪酸です。その中でも有名なものはDHAとEPAですが、脳の活性化にかかわっているものは、DHAのみであると考えられています。



脳には、血液脳関門という毛細血管でできたバリアが存在し、大切な脳を守るために、脳内への物質の出入りを制限する役割をしています。DHAとEPAは、化学構造が異なるため、DHAのみ血液脳関門を通過することができます。そのため、脳の活性化にかかわっているn-3系脂肪酸は、主にDHAとされています。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その14
第二章 脳を活性化させよう!
3_脳活3~学習をしよう~
*学習したことをアウトプットすることでさらに活性化!



脳を活性化させるためにおすすめなのが、「学んだ情報を伝える」ということです。これは、先ほどのコミュニケーションと重なりますが、得た知識を相手にどう伝えるかと考えることで、脳の広範囲を活性化させることができます。話すことで伝えることも良いですが、自分なりに文章にまとめてみるということでもアウトプットになるため、脳の活性化につながります。そして、自分が伝えたことで相手に認められたり、達成感を感じることでもドーパミンが分泌されます。このことでさらに学びたい、人に伝えたいという意欲が生まれて、知的好奇心は高まり、脳が活性化されます。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その13
第二章 脳を活性化させよう!
3_脳活3~学習をしよう~
*学習をしているとき、脳は活性化している!



学習の意欲のもとになっているのは知的好奇心です。知的好奇心とは、新しい知識や情報を求めることや、それらを理解しようとすることです。知的好奇心を持つことで、シナプスの生まれ変わりを促進させるだけでなく、既存のシナプスが強化されるといわれています。具体的には新しい知識を理解するために前頭葉や側頭葉が働くことから、それらの部位を中心に活性化されます。また、新しいことを知ったときや今まで分からなかったことを理解できるようになると私たちは「面白い」と感じます。これは、報酬系と呼ばれる神経伝達物質のドーパミンが分泌されるためです。ドーパミンは意欲にかかわることから、分泌されると「もっと知りたい(欲しい)」と思うようになります。すると、さらに知的好奇心が沸いて、脳の活性化につながるのです。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】 その12
第二章 脳を活性化させよう!
2_脳活2~コミュニケーションをとろう・後編~
*コミュニケーションには聴力が必須



聴力の低下は、コミュニケーション能力の低下につながります。それに伴い、コミュニケーションによる脳への刺激が減るため、脳全体の機能を低下させる恐れがあります。加齢に伴う難聴のことを「加齢性難聴」と呼び、現時点では根本的な治療法はありません。そのため、聴力の低下を感じ始めたら、医師の指導もと、補聴器を使用して聴力を補うことが大切となります。また、加齢性難聴は進行がゆっくりであることから、自覚できずに放置してしまうことが少なくありません。家族など周囲の人が異変に気づき、必要に応じて受診を勧めるようにしましょう。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】 その11
第二章 脳を活性化させよう!
2_脳活2~コミュニケーションをとろう・前編~
*人と話すことは脳の広範囲を活性化させる!

私たちは何気なくコミュニケーションをとっていますが、実はコミュニケーションは脳の広範囲が連係をして行っているため、とても複雑で高度な行動です。



まず、相手が発した言葉は側頭葉へ伝わり、聴覚情報の処理が行われます。そして、相手が話している表情やジェスチャーなどの視覚情報の処理は後頭葉で行われます。この時、脳に入ってくる情報は相手の発した言葉や様子だけでなく、周囲の風景や他の人の話し声なども含まれます。コミュニケーションを円滑に進めるために相手が発した言葉や様子に注目する必要があり、それらの情報の選択を担うのは視床で、必要な情報を大脳皮質に伝えます。さらに、相手の言葉の意味を側頭葉で理解し、それを踏まえ、自分が発する言葉を前頭葉で考えます。そして、言葉を話すためには、声帯や口を動かす必要があり、それを担うのは前頭葉や小脳です。

このように非常に複雑であるため、健康であっても言い間違えや勘違いが起こったり、長話をしたときに疲労を感じるということが起こるのです。コミュニケーションをしているときは、この一連の情報伝達を瞬時に、そして何度も行っているため、コミュニケーションは脳の広範囲に刺激を与え、活性化させるにはぴったりなのです。さらに、時には何時間もコミュニケーションを続けることもあるため、長時間に渡り脳を活性化することが可能となります。人と話さなくなるとボケやすくなると聞いたことがあると思いますが、これは会話による一連の刺激が減るため、脳の機能が衰えていくからです。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
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