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【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~心活~】その5
第一章 心とは

2.人間は2つの心を持つ? その1

 

脳内で沸き起こる様々な心は、脳のどこで生まれているのでしょうか。そして、他の動物に比べ圧倒的に発達した人間の脳で沸き起こる心は果たして1つなのでしょうか。心が生まれるまでの流れを確認していきましょう。

ここまで「心=感情」と表現してきましたが、ここからは「心」をもう少し細分化し、本能的に生まれる「情動」と、人間らしく理性が働くことで生まれる「感情」の2つに分けてみていきます。



*心が生まれる流れ

①感覚情報が脳へ伝わる

私たちは嗅覚、視覚、触覚、痛覚、平衡感覚といった感覚系を介して、外界の情報を感知し、自らがどのような状態にあるのかをモニターしています。各感覚器官より得られた感覚情報は、脳の各領域に伝わり処理されていきます。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 194号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~心活~】その4
〈第1章〉心とは
  1. なぜ私たちには心(感情)があるの? その3
 

木にたくさんのバナナが実っていたとします。エネルギーを早急に必要としているのであれば、空腹感と勇気が湧いて高い木を必死に登ろうとするでしょう。しかし、エネルギーが満たされているのであれば、怪我をするなどの危険性があるため、恐怖や満腹といった感情が脳内で湧き、木には登らないという決断に至ります。あまりにも危険を冒しては、転落死などのリスクがありますが、過剰なまでに慎重になっては、今度は飢え死にしてしまいます。こうした食事をするという行為一つにおいても“生き延びるために”選択を誤らないよう状況に応じて様々な感情が沸き立つようになっているのです。

バナナの木

また、狩猟採集民族であった私たちは、集団で行動していたため、集団から外れてしまうことは、食料の確保が出来ず生命危機に繋がってしまう可能性もありました。そのため、集団から外れる「孤独」への恐怖、不安、悲しみ、また仲間と一緒にいられる喜び、安心感、幸せなども強く感じるようになっているのです。

脳内で何十億もの脳細胞が物質を送り合い、不安・怒り・悲しみ・喜びなど様々な感情が生み出されることによって、それに応じた行動を起こすことが出来ているのです。感情はむしろ無い方が楽だと思うこともあるかもしれませんが、生き延びていくために、脳が感情を使ってその人の行動を指揮し、背中を押しているといえます。心(感情)は、遺伝子として残してくれた命を繋ぐための大事な生命線なのです。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 194号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~心活~】その3
〈第1章〉心とは
  1. なぜ私たちには心(感情)があるの? その2
 

感情の意義を知るためには、私たちの体の進化の歴史を知る必要があります。私たち人間の体は1~2万年前の狩猟採集民族であった状態とたいして変わっていないといわれています。ある種に大きな変化が生じるには何万年、何十万年とかかるからです。狩猟採集民族にとって生きることの理由はただ一つ、生き延びて子孫を残すことであり、そのために体や脳が進化を遂げてきました。そして、命を繋いでいくためには、さまざまな感情が必要だったのです。では、不安・怒り・悲しみ・喜びなどの感情が誕生した背景を深堀していきます。



大前提として、脳が最優先してきたことは、幸福を感じるためではなく、生き延びることだったということを念頭においておきましょう。生き延びるためには、飢餓を乗り越え、野生動物などから身を守っていくことなどが必要です。そのため、身に及ぶ危険に対して著しく反応する人は、生き延びる確率が高かったということが考えられます。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 194号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~心活~】その2
〈第1章〉心とは
  1. なぜ私たちには心(感情)があるの? その1
 

私たちには喜び、不安、怒り、悲しみなどさまざまな心(感情)があります。感情があることによって、友人との会話を楽しむなどワクワクしたり、あるいは仕事などが評価され、嬉しくなりもっと頑張ろうと思えたり、人生を豊かにしてくれます。一方で、人間関係や経済情勢などで不安を感じ、心を病んでしまう場合もあります。



こうした感情に日々振り回されてはいませんか?ポジティブな感情だけが沸いてくれば良いのにと感じることもあるでしょう。なぜ私たちは、ロボットのように淡々と生きられずに、不安や喜び、怒り、悲しみなどの感情に左右されるのでしょうか。感情が存在する理由について次週より詳しく学んでいきましょう。

 

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 194号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~心活~】その1
〈第1章〉心とは

皆さんは、日々の忙しさや人間関係などのストレスで心が疲れ果ててしまってはいませんか。生活が豊かに、快適に暮らせるようになり、インターネットを介して世界中のあらゆる娯楽と知識が手に入るようになったにもかかわらず、世界では多くの人が心を病んでしまっています。世界保健機構(WHO)によると、2023年時点で、世界で約2億8000万人がうつ病に苦しんでいると推計しています。



次週からの特集は「心活」です。心を豊かにするためには、どのようにアプローチしていけば良いのでしょうか。そもそも心とはどこでどのように生まれているのか。こうした私たちの中で生まれる「心(感情)」について探求していきましょう。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 194号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その24(最終回)
今回の記事でこの話題は最後です。

〈コラム〉左脳タイプ・右脳タイプ、男性脳・女性脳って本当にあるの?

大脳は、左脳と右脳に分かれています。左脳は、言語や計算などの理論的思考にかかわっていることが多いとされています。一方、右脳は、空間認識や直感、芸術的感覚などにかかわっていることが多いといわれています。そのため、左脳または右脳に多くかかわっている分野が優れていると左脳タイプ・右脳タイプと分類されることがあります。

また、左脳と右脳の境目には大脳縦列というシワが伸びており、その底には左脳と右脳を結ぶ「脳梁」という神経線維の束が存在します。この脳梁は左脳と右脳を結ぶ橋のような存在で、脳梁を通じて左脳と右脳は情報交換を行っています。一時期、脳梁は男性より女性の方が太いため、女性の方が左脳と右脳の情報交換が優れており、細やかな気遣いやマルチタスクが得意と考えられていましたが、近年の研究では、脳梁の太さに性差はない可能性が高いといわれており、個人差が大きいとされています。



私たちは脳全体を使って生活を送っています。そして、行動によって脳のどちらかがより優位に働く場合があるというだけであり、苦手分野を司っている部位が発達していないという訳ではありません。また、考え方や得意なことの違いについては、脳の構造による影響より、社会的要因による影響の方が大きいといわれています。個人の性格を2つに分類することは分かりやすく、興味を持ちやすい話題ではありますが、個人を左脳タイプ・右脳タイプ、男性脳・女性脳と2つに分類するのではなく、一人ひとりの個性と捉え多様性を大切にしていきましょう。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋


次回からは【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~心活~】の内容になります。
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その23
第三章 レッツ脳トレ!

3. 脳にも舌にもおいしい刺激を!「料理」



料理をすることも脳の広範囲を刺激するトレーニングになります。料理をするためには、まず必要な食材を用意しなければいけません。レシピと冷蔵庫の中身を照らし合わせて、足りないものを買うため、大脳皮質や海馬などの記憶領域、前頭葉などの思考にかかわる部位を刺激します。そして、料理をする時には、前につくったことのある料理であれば思い出す必要があるため、長期記憶を司る大脳皮質が活性化されます。初めて作る料理なら、レシピを見て覚え調理を進め、また次の工程をレシピで確認して覚えて、と繰り返すため、短期記憶を司る海馬を鍛えることができます。そして調理中はお湯を沸かしている間に食材を切るなど、常にマルチタスクであるため、これも前頭葉を鍛えるトレーニングになります。このように料理は脳の広範囲をトレーニングできるため、レシピ本は脳トレのテキストと捉えることも出来ます。

あまりキッチンに立つ機会がなかった方も、脳の活性化のためにもぜひ料理をしてみましょう。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その22
第三章 レッツ脳トレ!

2. 音色を楽しみながら脳トレ!「楽器の演奏」

 

楽器を演奏することは、ただ指を動かすだけでなく、脳の広範囲を使って行っています。小脳などの運動関連の部位はもちろん、音を聴くための聴覚にかかわる側頭葉のトレーニングになります。また、楽器や楽譜、場合によっては指揮者を見るための資格に関連する後頭葉のトレーニングにもなります。研究によると、プロの音楽家は音楽経験がない人と比較し、手先の運動や聴覚に関する部位が発達しており、音楽活動が長いほど脳の発達が顕著であるといわれています。そして、楽譜を覚えることで大脳皮質や海馬などの記憶関連の部位のトレーニングにもなります。



また、楽器の種類によって、自分に合った難易度のものを選ぶことができます。楽器といえばピアノやギターなどを思い浮かべるかもしれませんが、ハーモニカやオカリナなどの手軽なものでも、脳のトレーニングになることには変わりません。最初はおぼつかなかった演奏も、徐々にできるようになり1曲演奏できるようになった時の達成感は素晴らしいもので、ドーパミンの分泌も活発になります。今まで楽器に触れたことがなかった方もぜひやってみてはいかがでしょうか。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その21
第三章 レッツ脳トレ!
1. ながら運動で脳の広範囲を鍛える!「コグニサイズ」
*コグニサイズ「数字に合わせて体をタッチ」
①「1」と言いながら、右ひざを上げて右ひざをタッチする
②「2」と言いながら、左ひざを上げて左ひざをタッチする
③「3」と言いながら、右足首を上げて右足首をタッチする
④「4」と言いながら、左足首を上げて左足首をタッチする

「5」からは右ひざに戻り、20まで繰り返す。
タッチする順番を変えたり、タッチする手をグーにするなど指定をすると、難易度を上げることができます。


他にも、コグニサイズには種類があり、ウォーキングしながら川柳を考える、踏み台昇降をしながらしりとりをする、といったことも該当します。また、ペアやグループで行うと楽しく続けることができるだけでなく、コミュニケーションによる脳の活性化の効果も得ることができます。慣れてきたら、難易度を上げたり、別のコグニサイズを行うようにしましょう。また、コグニサイズだけでなく、有酸素運動や無酸素運動も生活の中に取り入れると、さらに効果を高めることができます。そして、何より継続することが重要です。無理のない範囲で楽しみながら行いましょう。
ただし、運動前にストレッチを行うことや水分補給をこまめに行うこと、痛みを感じるなど体に異変が起こったらやめるなど、安全に気を付けて行ってください。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
【カラダに秘めたパワーを引き出そう! ~脳活~】その20
第三章 レッツ脳トレ!
1. ながら運動で脳の広範囲を鍛える!「コグニサイズ」

運動が脳の活性化に良いことはこれまでにご紹介しました。今回は、ながら運動である「コグニサイズ」をご紹介します。コグニサイズは、英語のcognition(認知)とexercise(運動)を組み合わせた造語で、認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」の方の認知機能の維持・向上につながるものとして、国立長寿医療研究センターで開発されました。簡単な計算やしりとりなどを行って頭を使いながら運動を行うことで、脳の広範囲を活性化させることができます。ポイントは、コグニサイズを上手に行うことではなく、頭と体の両方を使うことであるため、完璧を求めたり他人と比較することは必要ありません。



*自分の目標心拍数を知ろう
コグニサイズで行う運動は、全身を使った中強程度の負荷が良いとされています。中強程度とは、心拍数が上昇し軽く息が弾む程度の運動です。自分にとって効果的な運動内容や強度を決めるために、目標心拍数を求めて、自分がどのくらいの運動が適しているのかを知っておくと良いです。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 193号」より抜粋
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