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【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その14

(1)日本食に欠かせない「発酵」のしくみ

<代表的な発酵食品>

②乳酸菌による発酵食品「ヨーグルト」

ヨーグルトの起源は諸説ありますが、ヨーロッパやアジア、中近東で牧畜を行っていた地域で、生乳を入れた容器に乳酸菌が混入して乳が固まると、腐りにくく長持ちすることに気が付いたのが始まりといわれています。日本でヨーグルトが普及したのは戦後になってからなので、伝統の発酵食品とは言えませんが、現在では乳酸菌飲料を含めると、国民一人当たり年間10ℓ近く消費するほど身近な食品になっています。

ヨーグルトは、乳酸菌の乳酸発酵によってつくられます。乳酸菌には多くの種類がありますが、世界では「ブルガリア菌」と「サーモフィラス菌」という2種類の菌によって作り出されるものをヨーグルトと定めています。日本では、それ以外にビフィズス菌やガセリ菌、ラクティス菌などの菌も併せて使っています。

ヨーグルトの製造方法としては、まず搾りたての牛乳の脂肪成分(脂肪球)をより細かく砕いて均一化した後、殺菌します。この牛乳に「ヨーグルトスターター」という発行を引き起こすために添加される乳酸菌を1%程度加えて、37~42℃に加温し、8~12時間ほどするとヨーグルトが完成します。牛乳の中で乳酸発酵が進むにつて、乳酸が排出されているカゼインというタンパク質は、酸によって凝固する性質があるため、乳酸によってpHが4.6あたりになるとカゼインが固まり、ヨーグルトができるというわけです。

 

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その13
(1)日本食に欠かせない「発酵」のしくみ

<代表的な発酵食品>

①納豆菌による発酵食品「納豆」

 

*納豆の健康効果

納豆は健康によい食品というイメージがあります。実際に納豆は高たんぱく・低脂肪という大豆の特徴をそのまま備えています。さらに、納豆菌の活動の結果、PGA以外にもさまざまな物質がつくられます。大豆に比べビタミンKやビタミンB2、水溶性食物繊維などの成分が大幅に増加しています。特に増加傾向にあるビタミンKには、血液凝固作用や骨をつくるたんぱく質の働きを助け骨粗鬆症を予防するなどの役割があるといわれています。



脳梗塞や心筋梗塞を防ぐために、血栓の形成を防止する抗凝固剤(ワーファリン)を服用されている人は、ビタミンKを多く含む納豆を控えるよう医師から指示されている場合があります。ワーファリンは血液凝固因子の生成に必要なビタミンKの機能を阻害することで血栓をできにくくするための薬です。そのため、ビタミンKを多く摂取すると薬の効き目が悪くなります。ただし、血栓の形成には複雑な過程を経て制御されているので、健常な人がビタミンKを大量に摂取したからといって、直ちに血栓ができやすくなるわけではありません。そのほか、納豆菌自体が乳酸菌のように腸に届いて有益な働きをするという報告もあります。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その12


(1)日本食に欠かせない「発酵」のしくみ

<代表的な発酵食品>

①納豆菌による発酵食品「納豆」

納豆は独特な粘り気や香りを持つ、代表的な日本の発酵食品です。納豆は、煮るもしくは蒸した大豆に納豆菌をつけ、16~24時間ほど発酵させてつくられます。納豆菌は、大豆に付着するとタンパク質を分解しながら増殖し、同時に納豆特有のにおいや旨味成分であるアミノ酸(グルタミン酸など)、ビタミン類など様々な物質をつくり出します。また、納豆菌は40℃前後で活発になりますが、非常に生命力が強いため、100℃でも死滅することはありません。納豆菌を死滅させるためには、120℃の温度が必要です。また、低温にも強く-100℃でも生きることができます。

 

*粘り気は納豆菌の非常食

納豆の最大の特徴であるネバネバの正体は、納豆菌がつくり出した旨味成分であるグルタミン酸が多数つながった「ポリグルタミン酸(PGA)」という成分です。

納豆菌がつくり出すネバネバ(PGA)は、納豆菌の栄養が不足したときに納豆菌自体が使う栄養源、つまり非常食としてつくられていると考えられています。納豆菌を培養した実験によると、納豆菌の数が少ない段階では、PGAはあまり産生されないという結果が出ています。また、培養の過程で納豆菌がある程度増えてくると、納豆菌は密度が高くなったことを感じ取り、将来の栄養不足に備えてPGAをつくりはじめます。

 

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その11


(1)日本食に欠かせない「発酵」のしくみ

<発酵食品をつくるための条件>

②温度

温度は、微生物の活動をコントロールする上で重要な要因です。基本的に高温で殺菌作用が、低温で静菌作用があります。種類によって異なりますが、微生物はある一定の温度範囲でしか成育し、増殖することができません。

最近の増殖に最も適した温度は、菌種によって異なりますが、一般的に30~40℃を至適温度とする菌が多いです。発酵に多く使われる乳酸菌は37~45℃で活発になります。また、酵母は最適温度が35~38℃で、55℃以上では死滅。発酵に多く使われるカビ(麹菌)の最適温度は25~30℃で、50℃前後で死滅します。

③塩分

発酵食品の製造において、塩分を加える目的は腐敗菌の活動を抑えることです。ほとんどの腐敗菌は、塩分濃度が15%を超えると生育できなくなります。しかし、耐塩菌は生存可能です。代表的な耐塩菌は乳酸菌。塩分濃度の高い環境でも発行が可能なため、腐敗菌を抑えつつ、発行を進めることができます。乳酸菌による発酵が使われている味噌、醤油、漬物などの塩気のある発酵食品は、高い塩分濃度で保存性を高めています。

④ph

物質の酸性、アルカリ性の度合いを示す数値をphと言います。Ph7.0が中性となり、これより数値が小さければ酸性、大きければアルカリ性となります。Phは、微生物の活動の要因の一つであり、温度や水分活性などの条件が一定であっても、食品のphをコントロールすることにより、ある程度微生物の活動をコントロールできます。

 

以上4つの条件をうまくコントロールし、発酵食品を生み出しているのです。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その10
(1)日本食に欠かせない「発酵」のしくみ

<発酵食品をつくるための条件>

発酵食品は、さまざまな食材を細菌やカビ、酵母の力で発酵させることによってつくり出す食品です。発酵を成功させるためには、微生物の活動に大きくかかわる水分や温度、塩分、phなどをコントロールする必要があります。これらの4つの条件が微生物に与える影響について見ていきましょう。
  • 水分
微生物(発酵菌も腐敗菌もすべて)が活動するためには、水分の存在が必要不可欠です。微生物は、どの程度の水分状態で活動することができるのでしょうか。



微生物が利用できるのは、食品に含まれるすべての水分ではありません。食品中の水は、その存在状態により「自由水」と「結合水」に分けられます。

自由水とは、分子が動き回ることができる水のことで、0℃で凍結したり、100℃付近で蒸発したりすることのできる水です。微生物はこの自由水を利用して活動します。一方で結合水は、分子が自由に動き回ることができない水です。塩漬けや砂糖漬けの食品が腐敗しにくいのは、食塩や砂糖が自由水と結びつくために、自由水の割合が低くなるからです。この食品中の自由水の割合を示す指標として用いられているのが「水分活性」です。

水分活性とは、食品中の自由水の割合を0~1で表す数値です。最も高い水分活性が必要なのは細菌で「0.90」以上でないと活動できません。酵母は「0.88」以上、カビは「0.80」以上で活動することができます。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その9
(1)日本食に欠かせない「発酵」のしくみ

<発酵食品を生み出す微生物の種類>

発酵食品を生み出すためには、細菌やカビ、酵母の力が必要です。これらの微生物には、さまざまな種類があります。



①細菌

発酵にかかわる代表的な細菌には、乳酸菌や納豆菌、酢酸菌などがあります。これらの細菌が、食材中の物質を発酵させることで発酵食品を生み出しています。細菌を利用した主な発酵食品として、ヨーグルトやチーズ、納豆、酢などがあります。

②カビ

世界には約4万種類ものカビが存在するといわれています。しかし、この中のほとんどが有害なものです。

日本の発酵食品に利用されている代表的なカビは「アスペルギルス・オリゼー」というものです。これはアスペルギルス属のカビの一種で、味噌や日本酒、甘酒などのもとになる「麹」をつくり出しています。そのほかにも、醤油に使われる「アスペルギルス・ソイ」や鰹節に使われる「アスペルギルス・グラウス」などがあります。数あるカビの中でも、これらの発行にかかわる無毒なカビを「麹菌」と呼んでいます。麹菌は、他国ではほとんどみられず、日本で独自に発展してきたことから、日本醸造学会は「国菌」と認めています。

③酵母

酵母の種類は約350種あり、1つの種類の中にもさまざまな酵母が存在しているため、実際はもっと多くの酵母が存在していると推測されています。発酵食品を生み出すために使われている酵母は、その中のわずか3~4種程度です。酵母は、糖質やタンパク質からアルコールや炭酸ガスなどを発生し、さまざまな発酵食品を生み出しています。酵母を利用した主な食品として、ワインやビール、焼酎、パン、味噌、醤油などがあります。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その8


*おいしさの科学*

食材のおいしさを高めるためには、食材に施されるさまざまな加工が重要な役割を果たしています。その方法は多岐にわたり、発酵や熟成、燻製、焙煎などの技術があります。これらは、食材のおいしさを高めるだけでなく、保存性や安全性を高めるという部分でも重要な意味を持ちます。

 

(1)日本食に欠かせない「発酵」のしくみ

近年、食材のおいしさや旨味、魅力を高めるためのキーワードとして「発酵」という言葉をよく目にします。私たちが、普段手に取る食品の中にも発酵食品が増えているのではないでしょうか。今注目されている発酵食品の製造の過程や特徴についてみていきましょう。

<発酵とは>

食品には、ほぼ例外なく微生物が付着しています。微生物とは、目に見えないほど小さな生物の総称で、この中には発酵食品との関係が深い細菌やカビ、酵母など多岐にわたる生物が含まれています。

細菌やカビ、酵母の働きによって、食品中の物質が人間にとって有益な作用をする物質に変化したり、有益な副産物を生み出したりすることを「発酵」といいます。反対に、微生物の働きによって変化した物質が人間にとって有害であれば「腐敗」と区別されています。

発酵は、食材のおいしさや旨味成分、栄養価、保存性を高めるだけでなく、腸内環境の改善や抗酸化作用など、さまざまな健康によい効果をもたらします。そのため、日本でも古くから多くの発酵食品がつくられてきました。また、私たちの食生活にも多くの発酵食品が取り入れられています。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その7
3.調理の基本「加熱」による食品の変化

〈栄養素の熱変性〉

②加熱による糖質(デンプン)の変化

米や小麦粉のような穀類は、主要成分であるデンプンを柔らかくしなければ食べることができません。デンプンは、主にブドウ糖が鎖状につながった、アミロースやアミロペクチンという物質からできています。



デンプンは、生の状態ではアミロースやアミロペクチンが密にくっつき合い、硬くて食べられない上に、消化や吸収も難しい成分です。しかし、デンプンを水と一緒に加熱すると、密着していたアミロースとアミロペクチンの間に隙間ができて、水が入り込み糊状になります。これをデンプンの「α化(糊化)」といいます。α化したデンプンは柔らかくなり、消化吸収しやすく、美味しいごはんやパンとして食べることができます。しかし、一度α化したデンプンは、低温下に置いておくと、再び硬くなります。これを「β化(老化)」といいます。冷蔵庫にごはんやパンを入れておくと硬くなるのはこのためです。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
【もっと知りたい!食の知識~おいしさの科学~】その6
3.調理の基本「加熱」による食品の変化

〈栄養素の熱変性〉
  • 加熱によるタンパク質の変化

*色の変化

タンパク質を多く含む代表的な食材は肉です。肉のタンパク質は、加熱によって色素の変化が起こります。

肉の赤い色は、ヘモグロビンとミオグロビンが関係しています。ヘモグロビンは血液の色素タンパク質で、酸素の運搬を行っています。ミオグロビンは、筋肉中の色素タンパク質で、酸素を蓄える働きをしています。肉は処理の過程で血抜きを行うため、肉の赤い色は主にミオグロビンによるものです。

処理した肉の色は、ミオグロビンによって本来は暗赤色をしています。しかし、スーパーなどで見かける肉の色が鮮赤色に見えるのは、ミオグロビンが空気に触れてオキシミオグロビンに変化しているからです。また、肉を加熱すると、一般に灰褐色になりますがその理由は、加熱によってグロビン(タンパク質)が熱変性を起こし、色素の保護作用を失って参加が進み、メトミオグロモーゲン(灰褐色)になるからです。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 176号」より抜粋
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