カイロプラクティックをはじめるなら│全国健康生活普及会(全健会)

トップページ > 新着情報
【ストレスの正体~ストレスの対処法と治療法~】その12
2.「専門家」レベルの対処法
(2)心へのアプローチ「精神療法」
〈来談者中心療法〉
来談者中心療法とは、治療者が問題解決に導くのではなく「来談者の主体性」を重視する方法です。アメリカの心理学者カール・ロジャーズ(1902~1987年)によって生み出された精神療法で、ロジャーズは精神療法の中で最も一般的な方法であるカウンセリングの方法に大きな影響を与えた人物でもあります。



これまでの精神療法は、治療者が主導権を握り、患者の問題を発見・診断し、治療者が患者に対して「こんな行動をとりなさい」と指示をする、「考えを変えなさい」と説得をする、「その考えや行動は良くない」と批判するなどの技法が多くみられていました。しかし、ロジャーズはこうした患者に対する指示や批判、説得といった技法を否定し、「患者の話を聞くことに徹し、患者に共感をもって接する」というカウンセリングの姿勢を提唱しました。これは、「患者こそがその問題を最もよく知っており、それを解決する力を備えているのだから、治療者は何も指示する必要がなく、患者の体験に心を寄せてそれを尊重することこそが重要である」という考えに基づいています。この考えから、来談者中心療法は人間が持っている「心の治癒力」に目を向けて、患者自身が自分の抱えている問題に気付き、解決法を見つけるプロセスを重視している治療であるといえます。そして、その患者の回復力を引き出すことこそが治療者の役目であり、それには診断の知識や技術だけではなく、患者への「真実性・無条件の肯定的関心・共感的理解」の3つが大切であるとされています。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋
【ストレスの正体~ストレスの対処法と治療法~】その11
2.「専門家」レベルの対処法
(2)心へのアプローチ「精神療法」
心の病気の治療法は「精神療法」と「薬物療法」の2つに分けられます。
1つ目の精神療法は、カウンセリング(面接)などを通して、患者の精神面にアプローチする、昔から行われてきた心理学的な治療法です。基本的には医師によって行われますが、公認心理師や臨床心理士が行うこともあります。多くの心の病気は、脳内の神経伝達物質の異常が一因となって起こることが多く、改善には薬物療法が有効です。しかし、心の病気は、遺伝や環境、性格、価値観、ストレス耐性などさまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。そこで、治療効果を高めるために併用されるのが精神療法です。



精神療法の目的は、患者が自分自身や人間関係、物事への考え方、あるいは出来事に対する対処法の偏りを見直し、それを改善できるようサポートしていくことです。また、治療が長期にわたることが多いため、精神療法を通じて、患者と治療者との信頼関係を築くことも重要な目的です。
精神療法は、さまざまな種類がありますが、その中でも代表的な3つの技法についてみていきましょう。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋
【ストレスの正体~ストレスの対処法と治療法~】その10
2.「専門家」レベルの対処法
(1)まずは「問診・診察・検査」
〈身体検査〉
心の病気を治療する上で、身体検査は必要ないと思われがちですが、とても重要です。内分泌系の病気(バセドウ病や甲状腺機能低下症、糖尿病など)や頭蓋内疾患(脳出血やくも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍など)に罹患すると精神症状を呈することもあるため、身体検査では、脳波検査や血液検査、尿検査、心電図検査などを行い、これらの疾患の有無を確認します。また、薬物療法を行うにあたって、代謝排泄に重要な肝機能や腎機能の状態を確認するためにも血液検査を実施することは大切です。



〈心理検査〉
心理検査とは、一定の理論や科学的手法に基づき、心理学者によって生成された「心理テスト」を行うことで、患者の精神状態を客観的にみるものです。医師が必要であると判断した場合、一般的には、公認心理士師や臨床心理士が心理検査を行う場合が多いとされています。ただし、本人の心理状態や検査側の主観によって多少の偏りが出る可能性があるため、ほかの検査と併せて検討する必要があります。
 心理検査には、文章の続きを描いてもらったり、インクの染みのような模様を見てもらい、どのように見えるか答えてもらう検査など、さまざまな種類があります。これらの心理検査を組み合わせて実施することで、個人の性格の特性や考え方の偏り、欲求や心理的葛藤の有無、態度を評価し、治療を行ううえでの参考とします。代表的な心理検査には表のようなものが挙げられます。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋
【ストレスの正体~ストレスの対処法と治療法~】その9
2.「専門家」レベルの対処法
これまでは、心の病気の治療やサポートに携わる専門家の役割について、みてきました。ここからは、専門家によって行われる問診・診察、検査、治療について、図の順番にみていきましょう。



(1)まずは「問診・診察・検査」
医療機関では、まず医師による問診・診察の後に検査を行います。
うつ病や統合失調症、気分障害などの心の病気は、身体的な病気に比べて診断を即座に確定させることは困難です。そのため、精神科の病気の診断では、患者の体験を言葉で語ってもらうことによる問診が非常に重要になります。これまでの生活歴や既往歴、家族歴などを聞き、問診を行いながら、さりげなく行動を観察するなど注意深く問診・診察をする必要があります。しかし、心の病気は脳や内分泌系の疾患でも似たような症状を呈することもあり、心以外に身体的な病気の可能性がないかを確認するため、さまざまな検査を行う必要があります。そして十分な問診・診察・検査の結果から、どのような精神的病状が認められるかを把握し、心の病気の診断を行います。
検査には大きく分けて「身体検査」と「心理検査」がありますので、次週より、見ていきましょう。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋
【ストレスの正体~ストレスの対処法と治療法~】その8
1.心の病気は「どこで・誰に」相談するべき?
(2)心の病気の治療やサポートに携わる専門家とは?~その5~

⑦心の整理のお手伝い「心理カウンセラー」
明確な資格ではありませんが、心の問題に取り組む職種として心理カウンセラーがあります。心の病気の治療では、丁寧なカウンセリング(面接)を重ねることがとても重要です。しかし、医師は時間的に一人の患者に十分な時間を割くことが難しいという現実もあります。そこで、公認心理士や心理カウンセラーが引継ぎ、時間をかけて話を聞くことで、心のより深いところまでアプローチすることができます。心理カウンセラーには次のようにいくつかの種類があります。



・産業カウンセラー
産業カウンセラーは、仕事や職場の人間関係などから生じるストレスや心の問題に対するメンタルヘルスカウンセリングだけではなく、社会における生き方の設計や近年の人事制度や組織の変更に伴う生き方の再設計と、それに対応する能力開発を支援するためのキャリアカウンセリング、また産業場面でのカウンセリングの考え方や姿勢の普及・啓蒙など、大きく3つの領域・機能に分けられます。職場のストレス対策と個人のストレスコントロールへの援助をする産業カウンセラーは、労働者のメンタルヘルスの維持・改善のために重要な役割を担っています。

・スクールカウンセラー
 スクールカウンセラーは、学校などの教育現場に配属され、生徒や保護者、学校教員へのカウンセリングによる心のケアを行い、より良い教育活動を行えるようにサポートする専門家です。様々なトラブルが増加しているため、こうした問題を解消する手段の一つとして、スクールカウンセラーの重要性は日々高まっています。

・チャイルドカウンセラー
 チャイルドカウンセラーは、医療・福祉・教育現場で悩みを抱えた「子ども」のカウンセリングを行い、悩みを解消し支援を行う専門家です。基本的な対象者は子どもですが、その子どもの保護者をカウンセリングする場合もあります。対象となる子どもは幼児から高校生と幅広く、育児や子どもとの関わり方、いじめや、不登校、校内暴力などについて心のケアを行います。

 心理カウンセラーは、医師ではないため病気を診断したり薬を処方することは出来ません。治療を必要とする場合は、専門の医師に相談の上カウンセリングを利用することが大切です。
 これまで紹介したように、さまざまな立場の専門家が一つのチームとして治療にあたり、病気の改善や患者のサポートをすることで病気の改善や社会復帰を目指します。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋
【ストレスの正体~ストレスの対処法と治療法~】その7
1.心の病気は「どこで・誰に」相談するべき?
(2)心の病気の治療やサポートに携わる専門家とは?~その4~



⑤患者と医師の懸け橋「看護師」
看護師は、医療や福祉のチームの一員として看護を担う専門家で、医師の治療のサポートや健康に不安を持った人たちへの援助を担当します。心の病気における看護師のサポートは、コミュニケーションによる心理面のケアや患者の状態チェック、入浴介助、整髪やひげそり、トイレへの誘導、そして、精神科における最も一般的な治療である薬物治療のサポートなど必要に応じてさまざまなケアを行います。心の病気は、症状により患者のセルフケアレベルが低下している場合も少なくないため、看護師によるケアやサポートはとても重要です。

⑥アフターケアを担当「精神保健福祉士」
精神保健福祉士とは、心の病気を抱える人やその家族から相談を受けたり、社会復帰をするための指導を行ったりと精神保健福祉に関する支援を行う専門家のことをいいます。別名「精神科ソーシャルワーカー(PSW)」とも呼ばれています。心の病気を抱える人の中には、治療を受けても日常生活が困難であったり社会復帰が難しい場合があります。そのような人達のために社会福祉の立場から援助する仕事です。具体的には、精神科や保健所などで、入退院の援助や社会復帰に関する相談、住宅の確保、家族関係の調整、日用品の調達をするなど多岐にわたります。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋
【ストレスの正体~ストレスの対処法と治療法~】その6
1.心の病気は「どこで・誰に」相談するべき?

(2)心の病気の治療やサポートに携わる専門家とは?~その3~



③体の回復は心の回復「作業療法士」

作業療法士は、心身に障害を持つ人々が、身の回りのことを主体的に対処できるようにサポートし、日常生活や社会生活を再建できるように心身機能の拝復を促すリハビリテーションの専門家です。一般的な作業療法士によるリハビリテーションでは、トイレの動作や着替えの動作など、日常生活に必要な動作につなげていくことが多いですが、こうした訓練は統合失調症や依存症、パーソナリティ障害などの心の病気からの回復にも有効であると考えられています。

作業療法にはいくつか種類があり、絵画や陶芸、木工など作品を作り出す「創作的活動」、ゲームや音楽鑑賞、スポーツなどの「レクリエーション」、料理や買い物、移動などの「日常生活動作訓練」などがあります。これらの活動をすることで、心身の回復と安定につながるとされています。特に、患者が好きなことや得意なことをすることが良いとされています。

 

④薬物療法のサポーター「薬剤師」

薬剤師は、医薬品全般について、幅広い知識を持つ「薬」の専門家です。薬物療法が治療の中心になる精神科領域では、治療や服薬の指導が社会復帰の後押しとしてとても重要です。心の病気には、血糖値やコレステロール値のような明確な指標がないため、効果の現れ方や副作用に個人差が生じやすく、訴えを丁寧にヒアリングし、状態を判断することが必要です。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋
【ストレスの正体~ストレスの対処法と治療法~】その5
1.心の病気は「どこで・誰に」相談するべき?
(2)心の病気の治療やサポートに携わる専門家とは?~その2~



②心の支え「公認心理師」
公認心理師は、心理学の知識や技術に基づいて、心理的に不安定な状態にある人の援助を行う専門家です。業務としては「心理査定(アセスメント)」「心理面接(カウンセリング)」「関係者への面接」「心の健康に関する教育・情報提供活動」の4つがあり、対象者の心理状態の観察とその結果の分析や相談に応じて、助言や指導、その他の援助を行うなど、幅広い活躍が期待されている専門職です。医師ではないため、薬の処方や注射などを行うことは出来ませんが、精神科医などと連携しながら治療を進めていきます。
日本では、臨床心理士が長く心理専門職として認知され活躍をしていますが、2017年に公認心理師法が施行され、2018年より国家資格である公認心理師の制度が始まりました。主な活躍の場としては、精神科病院や精神科クリニックなどの医療機関だけでなく、児童相談所などの福祉関係機関、家庭裁判所などの司法関係機関、学校などの教育関係機関、一般企業などの産業領域、さらにカウンセリングセンターなど幅広い分野にわたります。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋
2024年最初の初級カイロ事業セミナー!
zenkenkaiであなたもカイロプラクターを目指しませんか?

第242回初級カイロ事業セミナーのご案内です。
2024年こそ、ぜひあなたもカイロプラクターを目指しませんか?
隔月で行われている初級カイロ事業セミナーはカイロプラクターを目指すみなさんの第一歩のセミナーです。こちらのセミナーと、次の腰肩集中事業セミナーを受講いただくことでカイロプラクターとしての施術活動を開始いただけます。
まずは無料資料請求をどうぞ。



初級カイロ事業セミナーってどんなんだろう?というあなたはぜひ下記の動画をご覧ください!
【ストレスの正体~ストレスの対処法と治療法~】その4
1.心の病気は「どこで・誰に」相談するべき?
(2)心の病気の治療やサポートに携わる専門家とは?~その1~

これまで、精神科と心療内科の違いについてみてきましたが、これらの医療機関では、どのような専門家が活躍しているのでしょうか?一般的には、精神科医やカウンセラーを思い浮かべるかと思いますが、医療機関では、公認心理師や作業療法士、看護師、薬剤師などさまざまな「コメディカルスタッフ」が連係してサポートを行っています。コメディカルスタッフとは、医師とチームを組んで医療にあたるスタッフのことを指します。ここからは心の病気の治療やサポートに携わる専門家についてみていきましょう。



①チーム医療の要「精神科医」
精神疾患や心身症などの判断と治療を専門的に行う医師です。
精神医療の中心的な役割を担うのが精神科医で、患者の心の状態を把握し、治療計画を作成して、「精神療法」や「薬物療法」などを行います。以前は看護師との連携のみで治療を行っていましたが、近年は公認心理師や薬剤師などの専門スタッフとも協力して治療を行うことが多くなっています。このようなチーム医療において、診断や治療方針の決定を行うなど、チーム全体のコーディネーターとしての役割を担うことが求められています。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 184号」より抜粋
併せてお読みください!