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健康記事【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その7

*「脳を操る」神経伝達物質

(2)どうして依存症になるの?「ドーパミン」

〈ドーパミンとは〉

ドーパミンは快楽物質とも呼ばれています。快感や幸福を感じるのは、脳内にドーパミンが分泌されるためです。ドーパミンは何かをしようとする意欲や動機付けにも関係しています。新しいことを始めようとしてワクワクするのもドーパミンの分泌によります。

また、ある行為でドーパミンが放出され快感を得ると、脳がそれを学習し、再びその行為をしたくなるのです。ドーパミンは脳にとってこの上ない快楽をもたらす報酬なのです。そして、さらに大きな快楽を得ようと努力するようになります。

こうした報酬形の学習サイクルは、動物が環境に適応し、生きていくためになくてはならないものです。人が高度な社会を築くことができたのも、より大きな快楽や幸福を得るための活動を繰り返してきたからです。人は常に快楽(ドーパミン)を求めて行動しているといえるでしょう。

 

〈ドーパミン神経系〉

ドーパミンを放出する主要なドーパミン神経系は、脳幹にある「腹側被蓋野」と「黒質」から伸びています。腹側被蓋野から伸びる神経系は、大脳辺縁系にある「側坐核」及びその先にある「前頭連合野」へ達しています。側坐核や前頭連合野でドーパミンが放出されることで、快楽や幸福を感じ、やる気が出るのです。しかし、ドーパミンが増えすぎると、感情や思考、行動などを統合することができなくなる「統合失調症」になり、幻覚や妄想などの症状が起こるようになります。

また、黒質から伸びる神経系は運動機能に関係する「線条体」に達しているため、黒質が変性するとドーパミンが減少しパーキンソン病になります。

次週以降、さらに詳しくドーパミンにかかわる依存症や病気についてみていきましょう。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 181号」より抜粋

 
健康記事【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その6
*「脳を操る」神経伝達物質

神経伝達物質ごとの分泌異常によって起こる心の変化や病気について紹介します。

 

(1)神経疾患の現状

近年、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は大幅に増加しており、2017年の時点で400万人を超えています。内訳としては、多いものから「気分障害(うつ病など)」「不安障害(神経症性障害など)」「統合失調症」と続きます。



これらの疾患は、神経伝達物質の影響を大きく受けています。各神経伝達物質の働きと、それにかかわる疾患、また、薬の作用などについてみていきます。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 181号」より抜粋

 
健康記事【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その5
3.神経伝達物質の種類(興奮性・抑制性)



感情には、好き嫌い、喜びや悲しみ、恐怖や怒りなどさまざまなものがあります。こうした心の状態は、神経伝達物質によって大きな影響を受けています。神経伝達物質の種類と量が心の状態を左右しているのです。

神経伝達物質は、分かっているだけでも100種類程度あるといわれています。神経伝達物質の働きを大別すると、信号を伝える働きを持つ「興奮性」のものと、逆に信号を弱める働きをする「抑制性」のものに分けることができます。例えるなら、車のアクセルのような役割をするものと、ブレーキのような役割をするものです。

興奮性の代表的な神経伝達物質には、ドーパミンやノルアドレナリン、アセチルコリンなどがあります。そして、抑制性の代表的な神経伝達物質には、セロトニン、γ-アミノ酪酸(通称GABA)などがあります。これらは、特に心の状態にとって重要な働きをしている神経伝達物質であり、それぞれがバランスよく働くことで正常な心の状態が保たれています。

受け手側である神経細胞の樹状突起には、数万個程度のシナプスがあり、多数の神経細胞から興奮性と抑制性の神経伝達物質が同時に届くようになっています。その結果、神経伝達物質を受け取った側の神経細胞では、興奮性と抑制性の神経伝達物質による「多数決」のようなことが行われています。

興奮性の神経伝達物質の分泌が優位になると、神経細胞では活動電位が発生し情報が伝えられます。逆に抑制性の神経伝達物質の分泌が優位になると活動電位の発生が抑えられます。心を左右する代表的な神経伝達物質は表1の通りです。



特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 181号」より抜粋

 
健康記事【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その4
2.神経伝達物質は自分専用の「受容体」をもつ



信号の送り手側(軸索)にあるシナプスから放出された神経伝達物質は、神経伝達物質の受け手側(樹状突起)のシナプスにある受容体と結合します。

神経伝達物質と受容体は、ちょうど鍵と鍵穴のような関係にあり、お互い決まった者同士でしか結合できないようになっています。

また、受容体に結合できなかった余分な神経伝達物質は、神経伝達物質を放出したシナプスへ再吸収され、神経伝達物質として再利用されます。

 

〈神経細胞による情報伝達の調節〉

神経細胞は、神経伝達物質の量と受容体の数で情報伝達の調整をしています。シナプスには神経伝達物質のセンサーがついており、放出した神経伝達物質の量を常に監視しています。適量だと判断すれば、それ以上の神経伝達物質の放出や製造を抑制しています。また、受け手の受容体の数を増やすことで、信号は増強します。このように、神経伝達物質の量と受容体の数によって脳内が必要のない情報で溢れてしまわないよう調節しているのです。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 181号」より抜粋

 
健康記事【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その3
健康記事です。【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その3

1.「脳を守る」神経伝達物質
〈「シナプス」を介して情報伝達をおこなう〉
軸索と樹状突起のそれぞれの末端は、こぶ状に膨らんだ形をしており、「シナプス」と呼ばれています。シナプスの間には、1万分の1mm程の「シナプス間隙」と呼ばれる隙間が空いており、電気信号はこのわずかなすき間を超えることができません。そこで、シナプスでは電気信号の代わりに、軸索のシナプスに存在するシナプス小胞から「神経伝達物質」を分泌し、化学信号として次の樹状突起のシナプス(受容体)に情報を伝えていきます。このシナプスは1つの神経細胞に平均して数万個存在しています。また、基本的にシナプス1つにつき、1種類の神経伝達物質しか放出することはできません。
そして、神経伝達物質がシナプスのすき間(シナプス間隙)を飛び越えるのにかかる時間は約1,000分の1秒です。その瞬間的な神経伝達物質の伝達によって、ほかの神経細胞に渡った化学信号は、再び電気信号へと戻ります。脳の中では、このように電気信号と化学信号が巧みに変換されながら、無数の情報が伝えられているのです。
なぜ神経細胞同士はつながっておらず、このような手間をかけ電気信号から神経伝達物質(化学信号)へ変換しているのでしょうか。
もし、神経細胞同士がつながっており電気信号だけで情報が伝えられるしくみになっていた場合、すべての情報がそのまま一度に脳全体へ伝わってしまいます。脳は場所によって役割が異なり、それぞれ別の働きをしています。そのため、同じ情報を脳全体に伝える必要はありません。反対にすべての情報を脳全体に伝えてしまうと情報過多になり、正常な活動ができず、脳がパンクしてしまうのです。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 181号」より抜粋
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健康記事【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その2

1.「脳を守る」神経伝達物質

〈神経細胞の構造と働き〉~神経細胞(ニューロン)~

脳全体では1,000億個以上、大脳皮質には約140億個の神経細胞があるといわれています。神経細胞は「細胞体」「樹状突起」「軸索」から構成され、これを1つの単位として「ニューロン」とも呼びます。

細胞体とは、神経細胞の本体であり、ほかの細胞と同じように核やミトコンドリアなどを持ちます。樹状突起は、細胞体から何本も枝のように伸びている突起であり、ほかの神経細胞からの信号を受け取る「受け手」の役割を担っています。軸索は、細胞体から1本だけ長く伸びた部分です。軸索は信号の「送り手」であり、樹状突起で受け取った信号を軸索の末端へ送り、さらにほかの神経細胞の樹状突起へと伝えていきます。

また、軸索には「髄鞘」というグリア細胞によってつくられた被膜が連なって存在し、軸索を流れる信号の伝達速度を速める働きをしています。

このように、神経細胞が互いに連携を取り、情報が脳内、そして体全体へと伝達されることで私たちは考えたり、体を動かすことができます。

しかし、神経細胞同士は密着しているわけではなく一つひとつが独立して存在しているため、この巧みな伝達には工夫が必要です。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 181号」より抜粋
健康記事【ストレスの正体~神経伝達物質が与える影響~】その1

1.「脳を守る」神経伝達物質

 

これまで、ストレスとは一体何か、ストレスの正体についてお伝えしてきました。今回よりストレスと脳のつながりを理解するために、脳内をもう少し深く覗いていきます。

 

*なぜ神経細胞同士はつながっていない?

脳内に存在する神経細胞は、一つひとつが独立して存在しています。神経細胞同士の間にわずかなすき間が空いており、電気信号だけでは情報を伝達することができません。そのわずかなすき間を飛び交うのが「神経伝達物質」です。なぜ脳内はこのような手間のかかる構造やしくみを取っているのでしょうか。神経細胞の構造や情報伝達の仕組みを探っていきましょう。

 

〈神経細胞の構造と働き〉

脳内は「神経細胞」と「グリア細胞」という2種類の細胞によって構成されています。脳の活動の主役は神経細胞です。神経細胞は、電気信号を発して情報をやり取りする特殊な細胞であり、神経細胞同士が連携をとることで巨大な情報ネットワークを形成しています。

グリア細胞とは、神経細胞を固定したり、神経細胞に栄養素を運んだりするなど、神経細胞を手助けする細胞の総称です。その数は神経細胞の10~50倍と考えられ、脳内の大半を占めているといわれています。また、グリア細胞は免疫の働きも担います。体の中の免疫細胞というと白血球ですが、白血球は脳内に入ることができません。その代わりに、脳ではグリア細胞が病原体を取り込んで分解したり、死んだ細胞を処理したりしています。さらに、近年では神経伝達物質の受容体を持ち、神経細胞と似たような働きをして、記憶や学習という脳の高次機能を支えていると考えられています。

 

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 181号」より抜粋

 
健康記事/【ストレスの正体】その10
【ストレスの正体】

3.ストレスに性差はある?

 

男性も女性も生活の中で何かしらのストレスを感じています。そのストレスの感じ方には個人差ももちろん存在しますが、男女という性別の間でも大きな差があります。では、男性と女性ではどちらのほうがよりストレスを抱えやすいのでしょうか。厚生労働省による2019年国民生活基礎調査では、次のような調査結果が出ています。

表は、12歳以上の「悩みやストレスの有無」と「性・年齢階級別にみた悩みやストレスがある者の割合」を表したものです。



結果を見ると、日常生活での悩みやストレスが「ある」と答えた人が47.9%、「ない」と答えた人が50.6%となっており、約半数の人が日常生活で何かしらのストレスや悩みを抱えているということが分かりました。さらに、悩みやストレスがある者の割合を性別にみると、男性が43.0%で女性が52.4%と女性のほうがストレスを多く感じており、年齢階級別にみると、男女ともに30~50代が高く、人生の中でも特にストレスを感じやすい年代であることが分かりました。女性がストレスを感じやすい理由にはどのようなものが考えられるでしょうか。

 

・ライフステージの変化

女性は、各ライフステージで決断を迫られる状況が男性よりも比較的多いことが関係していると考えられます。男女ともに高かった30~50代の女性は結婚や出産、仕事などさまざまな将来へのプランを描く時期であり、同時に迷う場面が増える時期でもあります。そしてこれらの悩みは人生を大きく左右するような決断であることからストレスになりやすいと考えられます。

・コミュニティの広さとタスクの多さ

女性は、職場での人間関係や親戚づきあい、近所づきあい、子供の親との交流など、男性と比べてコミュニティが広い傾向にあります。人間関係が多ければその分ストレスも増える要因となります。また女性は、家事や育児、自身の健康ケアに加えて、家族の健康管理などの作業が男性と比較して多くなる傾向にあります。女性の活躍推進により家事や育児に対して協力する男性も増えていますが、現実は女性のほうが主導しており負担もまだまだ大きい状況にあると考えられます。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 180号」より抜粋

 
健康記事/【ストレスの正体】その9
2.ストレス反応の経路

〈ストレスホルモンを分泌する副腎とは?〉



副腎は大きさ3~4cm、重さ5~6g程度の小さな臓器です。左右にある腎臓の上部にそれぞれ1つずつ、小さな三角形ないしは半月状の帽子がかぶさるように位置し、腎臓との間は脂肪組織で仕切られています。腎臓にかぶさるように位置していますが、腎臓の機能との直接的なつながりはありません。副腎は、副腎固有の被膜(腺維膜)に包まれており、外側の約80%を「副腎皮質」、内側を「副腎髄質」といいます。



副腎皮質と副腎髄質では、組織の性質や働きが大きく異なります。外側の副腎皮質は腺細胞(ホルモン分泌細胞)が集まったもので、「副腎皮質ホルモン」を分泌しています。また、内側の副腎髄質は交感神経の神経細胞の一部が腺細胞に変化してできたもので「副腎髄質ホルモン」を分泌しています。

*副腎皮質ホルモン「コルチゾール」

コルチゾールは副腎皮質の中央の束状帯から分泌されます。コルチゾールの働きは、ストレスに対抗するだけにとどまらず、糖代謝をはじめ、タンパク質代謝、脂質代謝、抗炎症作用など多岐にわたります。また、コルチゾールを人工的に合成した薬を「ステロイド薬」といいます。自己免疫疾患やアレルギー疾患のほか、病気の炎症を抑えるときに用いられます。

 

*副腎髄質ホルモン「アドレナリン・ノルアドレナリン」

アドレナリンとノルアドレナリンは、副腎の中心部にある副腎髄質から分泌されます。アドレナリンは、主に心臓に作用し収縮力を強めて心拍数を上げる、血糖値を上げるなど、代謝を亢進させる方向に働きます。一方、ノルアドレナリンは、末梢血管を収縮させて血圧を上昇させるように働きます。どちらも生体を興奮状態にするという作用は似ていますが、微妙に働きが異なります。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 180号」より抜粋

 
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