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【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その15
2.体のストレス対処力
(3)体の対処力「血糖値」その1
 体の恒常性により血糖値も一定に保たれています。血糖値は空腹時で70~110mg/dlに維持されています。食事の影響だけではなく、精神的・身体的なストレッサーによっても血糖値は変動します。血糖値を一定に保つ目的と、ストレッサーに対する変化をみていきましょう。



*血糖値の恒常性
血糖値を一定に保つ目的は、脳や筋肉などの全身の細胞の働きを維持し続けるためです。私たちは食べ物として摂取した炭水化物(糖質)を体内でグルコース(ブドウ糖)の形に変え、それを血液の流れに乗せて全身の細胞に運び、エネルギー源として利用して生命を維持し活動しています。グルコースをエネルギーに変えるのは、膵臓のβ細胞から分泌されるホルモンである「インスリン」です。血糖値が上がりすぎないように一定レベルを保つために重要な働きをします。インスリンは、私たちの体において唯一、血糖値を下げる方向に働くホルモンです。
 一方で血糖値の低下を感知すると血糖値を上げるように働くものに、膵臓のランゲルハンス島α細胞から分泌される「グルカゴン」や副腎から分泌される「アドレナリン」「グルココルチコイド」、そのほか「成長ホルモン」などがあります。
血糖値の変化は、直接膵臓に作用して膵臓ホルモン分泌を調節するほか、肝臓や小腸、視床下部にあるグルコースの受容器によって感知されて、脳内でその信号が統合されます。その結果、自律神経を介して膵臓と副腎のホルモン分泌が調節されます。副交感神経が高まるとインスリン分泌を増加させ、交感神経が高まるとグルカゴンやアドレナリンなどの分泌を増加させます。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
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【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その14
2.体のストレス対処力
(2)体の対処力「体温」

*「感染症ストレス」に対する対処
体温の恒常性に影響を及ぼすストレッサーとして著しいものは「感染」です。感染時には、視床下部の体温調節中枢による体温調節のセットポイント(体温の設定温度)を正常よりも高いレベルにずらすことで発熱を起こしています。



その仕組みとしては、体内に細菌やウイルスなどが侵入すると、単球やマクロファージなどの免疫細胞から発熱物質として作用するインターロイキンやインターフェロンなどの「サイトカイン」が放出されます。サイトカインが視床下部の体温調節中枢に作用することで、「プロスタグランジン」という生理活性物質が産生されます。プロスタグランジンは、体温調節中枢のセットポイントを上昇させ、その結果、外気温が低くないにもかかわらず体内の産熱機能が高まり、放熱機能が抑制されます。そのため発熱時には、悪寒や震え、皮膚血管の収縮などが起こり体温が上昇するのです。
発熱による体温上昇は、多くの病原菌の増殖を妨げる一方、抗体産生能を亢進するなど免疫細胞の働きを活性化します。このように、発熱をすることで感染というストレッサーから体を守り対処していることが分かります。ただし、発熱時でも体温が40℃以上になることはほとんどありません。体温が41~42℃を超えないようにする仕組みが働いているからです。発熱の原因が取り除かれると、亢進した産熱機能は元に戻り、放熱機能が高まることで発汗が起こって体温は元に戻ります。
精神的なストレッサーに対しても、体温の上昇が起こり発熱が続くことがあります。これは、本来体温調節をあまり行う必要がない刺激に対して、感染症などと同じように体が対処を行ってしまうためです。こうした精神的なストレッサーの場合、感染症のように炎症反応を伴わないため、血液検査をしても原因が分からないことがよくあります。


特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その13
2.体のストレス対処力
(2)体の対処力「体温」
私たちの体温は、外気温が夏は30℃以上、冬は0℃前後と大幅に変動するにもかかわらず、約36~37℃という非常に狭い範囲に保たれています。この体温調節機能は、鳥類や哺乳類に備わった生体恒常性の特徴の一つです。なぜ体温は一定に保たれる必要があるのでしょうか。また、ストレッサーがかかったときには、どのように体温が変化し対処しているのか確認していきましょう。



*体温の恒常性
体内では、食べたものを消化分解し、吸収しエネルギーに変える生命活動を維持するための化学反応(代謝)が絶えず行われています。その化学反応を進める上で欠かせない酵素が数千種類存在します。酵素が触媒として最も活性化する至適温度は約36~37℃であるといわれています。そのため、体温は約36.5℃に保たれていると考えられます。
この温度を超えてしまうと、酵素はタンパク質でできているため、タンパク変性を起こしやすくなります。そして、酵素本来の機能が発揮できなくなり反応速度は減少してしまいます。また、体温が下がることでも、血流が低下し酵素反応が緩やかになるほか、免疫力の低下にも繋がってしまいます。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
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【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その12
2.体のストレス対処力
(1)変化するストレッサー・変化が追いつかない体
〈縄文時代から体は変化していない?その2〉

*現代の文明は700万年の最後の一瞬
産業革命がイギリスで起こったのが今から200年ほど前です。これを機に、電話や冷蔵庫、テレビなどの家電製品、電車、車、飛行機などの乗り物、細菌の感染から命を守る抗生物質など次々に発明され、私たちの生活は大きな変化を遂げました。さらに、パソコンや携帯、インターネット、SNSが普及したのはここ数十年のことです。人類のおよそ700万年の歴史から見たら最後のほんの一瞬のところで急激に今の暮らしへと移り変わったといえます。
約700万年という人類史を時間軸の流れで考えてみると図4のようになります。こうした急激なストレッサーの変化に対して、体は狩猟採集生活を送っていた縄文時代の頃から大きく変わっていないといわれています。



〈体の対処力は現代に不釣り合い?〉
社会生活を円滑に進めるべく、現代のストレッサーに対処するため脳は発達を遂げて来ました。それでも大脳皮質(前頭前野)で対処し切れなかったストレッサーの影響が体に出ることがあります。
大脳皮質で生じたストレッサーの影響は、大脳辺縁系に伝わり、間接的に視床へと伝わってしまいます。すると、視床下部から自律神経や内分泌器官に情報が届き、体のストレス反応を引き起こします。ここで生じる体の反応(対処力)は、果たして現代のストレッサーに適応できているのでしょうか。
前述したように、体は古代からあまり変化を遂げていないといわれています。そのため、ストレッサーの種類が精神的な物や、もしくはSNSなどのテクノストレスであれ、全て古代のストレッサーであった「生命の危機」の対処として働いているのではないかと推測できます。
私たちの体に備わる対処力として「体温」「血糖値」「血圧」を例に挙げ、その具体的な反応と仕組みについて次週より紹介していきます。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その11
2.体のストレス対処力

(1)変化するストレッサー・変化が追いつかない体

〈縄文時代から体は変化していない?〉



 

*人類の進化

今からおよそ700万年前、人類はアフリカ大陸にて誕生したといわれています。人類はチンパンジー(猿)と別の道を歩み始め、2足歩行を獲得し「猿人(アウストラロピテクス)」となりました。そして、約250万年前に私たちと大体同じ姿をした「原人(ホモ属)」が出現し、約30万年前に「旧人」と呼ばれる姿に変わりました。今現在の私たちの姿である「新人(ホモ・サピエンス)」が出現したのは、約20万年前といわれています。日本の地にホモ・サピエンスが上陸したのは、化石などの分析からおよそ3万8000年前といわれています。

 

*人類はずっと狩猟採集生活だった

約700万年という人類史を見た場合、ほとんどの間、狩猟採集生活を送ってきました。獲物を仕留め、植物を採集し、その日に食べられる物を食べるという生活です。電気もなければ冷蔵庫もなく、いつまた食にありつけるかも分からないため、食べられる分は全て食べてしまいます。そして、獲物が捕れなくなると別の場所に移動しながら生活を送っていました。

人類の700万年の歴史のうち、世界的にみると最後の1万年でようやく農耕と牧畜が始まり定住生活を送るようになったといわれています。人類史でみれば700分の1でしかないのです。その後、今から5000年ほど前に古代エジプト文明やメソポタミア文明などが誕生したといわれています。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その10
2.体のストレス対処力

これまでは、現代人が抱えるストレッサーに対して脳がどのように対処し、発達を遂げていったのかをお伝えしました。ここからは、ストレッサーに対する「体」の対処力を探求していきましょう。



(1)変化するストレッサー・変化が追いつかない体

〈近年急激に変化するストレッサーの質〉

ストレッサーの質は時代と共に変化しています。現代においては、学校や会社、またはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上などでの人間関係における不安や怒りなどが多く占めるのではないでしょうか。また、高齢者においては近年のテクノロジー(パソコン、スマートフォンの使用)に付いていくことが出来ずイライラとしてしまう「テクノストレス」も深刻化しているといわれています。

しかし、古代においては、「生命の危機」こそが一番のストレッサーでした。食べ物にありつけない飢餓の心配、野生動物からの身の危険、寒さや暑さから身を守ることなど、生命に直結するストレッサーばかりであったと考えられます。

現代では、農作の発展や産業革命と共にそうした生命の危機を日々感じることはなくなりました。いつでもどこでも、好きな時間に好きな物を食することが可能となり、暑さや寒さは空調システムで調整できます。また、移動は車や電車、飛行機などで短時間で且つ安全に行うことができます。このように、毎日生活を送る中で、生命の危機というストレッサーを感じることはほぼ皆無になったといえます。

さて、ストレッサーのこうした変化に、私たちの体の対処力は適応することが出来ているのでしょうか。次週より説明していきましょう。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その9
1.脳のストレス対処力

(4)「脳が忘れる」ことによる対処力

 

*「嫌な記憶」は脳が忘れさせるのか?

試験のための意味記憶とは逆に、嫌な記憶は、できれば早く忘れてしまいたいものです。ストレッサーが刺激となり扁桃体に伝わって恐怖や不安、怒りなどの情動が発せられた場合は、「レスポンデント条件づけ」という記憶になります。「パブロフの犬」の実験で良く知られている身体や感情の変化にかかわる学習体験による記憶です。



例として「ある営業マンが取引先に対して、商品の最終プレゼンテーションを担当した結果、契約が破棄になり、プレゼンに対する恐怖心が植えついてしまった」ということを考えてみます。

この恐怖体験は、嫌な記憶として残ります。しかし、その後しばらくの間、プレゼンを任せられる機会から遠ざかれば、少しずつ嫌な記憶は忘れられていきます。「プレゼンから離れることで嫌な思いが起きない」という「新たな経験」を積み重ねて記憶の上書きをしようとしているのです。

もし、恐怖心を拭えない状態のまま、次のプレゼンの機会を指示された場合、恐怖や不安に伴うストレス症状が生じます。これは扁桃体で発せられる情動が、前頭前野での理性による対処を上回っている状況です。こうした恐怖体験の度合いや、恐怖や不安などの情動の大きさが著しい場合には、「トラウマ」となってPTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症につながることもあります。

実際にPTSDやうつ病などを発症した場合には、まずは「その原因となる状況から離れて新たな経験を積むことにより記憶を上書きする」、そしてショック状態の回復具合をみて、「認知行動療法」などの手法を通じた理性的な認知の仕方を学習し、前頭前野による脳の対処力を高めていく、という考え方が基本となります。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
【ストレスの正体~脳と体の対処力~】その8
  1. 脳のストレス対処力
(4)「脳が忘れる」ことによる対処力

「記憶する」ことと「忘れる」ことの関係性から脳の対処力を考えてみましょう。



〈記憶の分類〉

記憶には、その内容を言葉にして説明できる「宣言的記憶」と、体で覚えたり特定の感情が伴うタイプの「非宣言的記憶」があります。前者はさらに、個人が経験した出来事に関することや思い出などの「エピソード記憶」と、物事の意味を表す一般的な知識や情報についての意味記憶に分かれます。一方、後者には、自転車の乗り方などの技能の習得にかかわる「手続き記憶」、ストレッサーがかかったときなど、ある状況で現れる特定の感情や身体変化の記憶にかかわる「レスポンデント条件づけ記憶」などが含まれます。

 

*記憶に残るかどうかのカギは「海馬」

海馬での記憶は、一時保存機能のようなもので、新しい情報が入ってくると次々に更新されて過去の情報に上書き保存されます。また、数秒から長くても1日以内には消えてしまうような短期的な記憶です。

これは、海馬がフィルター役として働き、情報の取捨選択を行い、入ってきた情報が「生命を維持していくのに必要な情報か」を判断します。そして、残しておくべき重要な情報であると判断されてはじめて大脳皮質に「長期記憶」として保存されていきます。

試験に受かるための学習を例に挙げてみますと、せっかく勉強したことが数日たつと忘れてしまうのはよくあることです。このような意味記憶を長期記憶にするためには、何度も繰り返して学習することによって、海馬に「優先的な情報である」と判断されやすくする必要があります。

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 183号」より抜粋
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