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【ストレスの正体~自律神経が体に及ぼす影響~】その11


2.自律神経のバランスが悪くなって現れる症状
(2)ストレッサーで胃腸が痛い(消化器官に現れると)その2

〈過敏性腸症候群〉
過敏性腸症候群は、IBS(Irritable Bowel Syndrome)とも呼ばれています。不安や緊張などの精神的ストレッサーが要因で下痢や便秘を繰り返し、腹痛を引き起こしますが、病院へ行っても特に異常は認められません。
過敏性腸症候群は、先進国の20~40代の若い年齢層で多く発症しており、症状により便秘型、下痢型、混合型の3つのタイプに分けられ、次のような自律神経とかかわりがあると考えられています。
便秘型は、ストレッサーを受けて交感神経が強く働くことで、大腸の蠕動運動が鈍くなり、便が大腸内に長時間留まることで水分が必要以上に吸収され引き起こされます。
下痢型は、ストレッサーを受けて交感神経が強く働き、交感神経の働きを抑制しようと副交感神経が一気に働くことで生じます。副交感神経が強く働くと、大腸の蠕動運動が活発になり過ぎてしまい、便の大腸内に留まる時間が短くなるため水分が吸収されずに下痢が引き起こされます。
混合型は、便秘型と下痢型の症状を繰り返します。

〈神経性嘔吐症〉
神経性嘔吐症は、検査をしても異常がないのに頻繁に嘔吐や吐き気が起こる症状です。特徴は、嘔吐した後にすっきりとして、下痢や腹痛が伴わないことです。ストレッサーによって交感神経が脳の延髄にある嘔吐中枢という部分に伝わり、嘔吐を引き起こしていると考えられています。
特に、子どもに多く症状が現れます。成長発達段階にある子どもは、延髄が完全に発達しておらず、少しの刺激でも嘔吐中枢に伝わるためです。例えば、苦手な食べ物が飲み込めずに嘔吐した場合、次に同じ食べ物を見ただけで反射的に嘔吐が誘発されることがあります。これは、嫌な記憶が嘔吐中枢を刺激しているためです。
この症状は、胃腸に問題があるわけではありませんが、嘔吐が続くことで、胃や食道が荒れて、逆流性食道炎になることがあります。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 182号」より抜粋

【ストレスの正体~自律神経が体に及ぼす影響~】その10
2.自律神経のバランスが悪くなって現れる症状
(2)ストレッサーで胃腸が痛い(消化器官に現れると)その1
胃や腸などの消化器官は、粘膜でできており、ストレッサーの影響を受けやすい臓器です。代表的な症状は「胃・十二指腸潰瘍」「過敏性腸症候群」「神経性嘔吐症」です。



〈胃・十二指腸潰瘍〉
胃・十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜がただれたり、えぐれたりしている状態をいいます。上腹部やみぞおちが空腹時に痛むことが多く、胸やけやげっぷ、症状が悪化すると吐血や下血を起こします。
 ストレッサーを受けると交感神経が強く働き、血管を収縮させるため、胃の粘膜の血流が悪くなります。胃の粘膜の血流が悪くなることで、胃の粘膜が弱くなり、胃の粘膜を守っている胃粘液の分泌も減ります。その後、交感神経の働きを抑制するために副交感神経が強まると、胃酸の分泌が増加し、弱った胃の粘膜が損傷したり、潰瘍ができてしまったりするのです。特に、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)に感染していると、胃潰瘍の発症リスクが高まるといわれています。なお、暴飲暴食、鎮痛剤などが引き金で潰瘍ができる場合もありますが、これらは一般的な疾患とみなされています。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 182号」より抜粋
【ストレスの正体~自律神経が体に及ぼす影響~】その9
2.自律神経のバランスが悪くなって現れる症状



(1)自律神経失調症と心身症の違い
理性を司る大脳皮質と情動を司る大脳辺縁系が対立することにより、視床下部はさまざまな情報に振り回されて、交感神経と副交感神経のバランスを適切にコントロールできなくなります。本心では激怒しているのに平謝りをするなどの状態では理性が働いて情動を抑制しようとするため、ストレッサーとなります。こうしたストレス状態が続くと脳は自律神経のバランスをコントロールできなくなることがあります。
自律神経のバランスが乱れると、なんとなく体がだるい、胃が痛い、食欲がないなど、さまざまな症状を引き起こします。しかし、病院に行ってもこれといった病名が見つからなかったり、自律神経失調症や心身症といわれることがあります。
自律神経失調症と心身症は、似ているようで異なります。違いを見てみましょう。

*自律神経失調症
自律神経失調症は、検査をしても臓器や組織に病気がなく、目立った心の病気(うつ病やパニック障害など)もない状態を指しています。つまり、自律神経失調症は特定の病名ではなく、さまざまな症状の総称ということです。自律神経失調症の要因は、精神的ストレッサーだけでなく、寒暖の変化などの物理的ストレッサーや不規則な生活、加齢なども含みます。

*心身症
心身症は、自律神経失調症の一部に含まれ、精神的ストレッサーのみが要因で体に症状をきたすものをいいます。
特定の部位に強い症状がみられる場合には、病名が付くことがあります。例えば、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群や片頭痛、めまいを引き起こすメニエール病などがそれにあたります。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 182号」より抜粋
【ストレスの正体~自律神経が体に及ぼす影響~】その8
1.生命維持に不可欠な自律神経
(3)ストレッサーによる感情の変化が自律神経に影響を及ぼす 
〈自律神経は感情に反応する〉
急激な驚きや恐怖、怒りなどの感情を「情動」といい、大脳辺縁系が司っています。本来、情動は自律神経を支配している視床下部には直接届くことはありません。しかし、視床下部は大脳辺縁系の下にあるため、大脳辺縁系に生じた感情の刺激により、情報が伝達し、自律神経に指令を出してしまいます。その結果、恐怖や驚きなどの強い感情が生じると、交感神経が働き、心臓がドキドキしたり、血圧が上昇したり、冷や汗が出たりするのです。つまり、自律神経は間接的に大脳辺縁系の影響を受けているということです。
また、飛行機や乗り物が苦手な人がそれらに乗ることを考えただけで冷や汗が出たり、人前でスピーチすることを想像しただけで心臓がドキドキしたりすることがあります。これは、大脳皮質の思考情報が、すぐ内側の大脳辺縁系に伝わり、恐怖や不安などの感情を引き起こして、視床下部に伝わることで、交感神経が強く働くことにより起こります。



感情や精神状態に反応するときの自律神経の働きは、次の4つのタイプに分けられます。
①恐怖や驚き、怒りなどを突発的に感じた場合
→交感神経が極度に興奮して、短時間のうちに各器官に強い反応が現れる。
②持続的な不安や緊張がある場合
→交感神経と副交感神経の働きがバランスを乱し、体調を崩しやすくなる。
③失望や抑うつ、悲哀などを感じている場合
→交感神経と副交感神経はともに低下して、体の活動量が下がり、食欲不振や睡眠障害などの症状をきたすことがある。
④のんびりと休息をとり、リラックスしている場合
→副交感神経が優位となり、ほとんどの器官や感情は、興奮から解放される。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 182号」より抜粋

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【ストレスの正体~自律神経が体に及ぼす影響~】その7
1.生命維持に不可欠な自律神経
(3)ストレッサーによる感情の変化が自律神経に影響を及ぼす 
〈交感神経と副交感神経の伝達経路の違い〉

*交感神経
交感神経は、脊髄を出た後に脊髄の横にある「交感神経幹」を経由します。さまざまな器官を支配しているため、交感神経を介する反応は、たいてい広範囲に渡り、多数の器官を巻き込んだものになります。




*副交感神経
副交感神経は、脳幹と仙髄から神経が伸びています。脳幹から伸びている動眼神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経と仙髄から伸びている仙椎神経があります。交感神経とは異なり神経幹はありません。また、副交感神経の神経節は、ほとんどが各臓器の近くにあります。副交感神経の中でも多くを支配しているのが迷走神経です。心臓、肺、肝臓、胃などほとんどの臓器は迷走神経により支配されています。




多くの臓器が交感神経と副交感神経で二重支配されているのは、生体の恒常性を維持することが目的と言えます。交感神経と副交感神経の活動電位は休むことなく送り込まれています。例えば、心臓であれば、より早く拍動するべく交感神経の活動電位を常時受けていると同時に、ペースを落とせという副交感神経の活動電位も常に受けているのです。これらの相反する力の比率は、2つの異なった神経伝達物質の比率によって実際の心拍数が決定されています。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 182号」より抜粋
【ストレスの正体~自律神経が体に及ぼす影響~】その6
1.生命維持に不可欠な自律神経
(4)自律神経を動かす神経伝達物質
自律神経の伝達は、どのように行われているのでしょうか。交感神経と副交感神経の伝達の違いを確認していきましょう。



〈自律神経の情報の伝達方法〉
自律神経の伝達方法は、脳内に存在する神経細胞の仕組みと基本的に同じで、神経細胞同士の間にわずかな隙間が空いており、「神経伝達物質」が飛び交って情報伝達をしています。構造は類似していますが、樹状突起の形状や軸索の長さなどは、各器官に適したけいたいになっています。
自律神経は、中枢となる脳や脊髄を出た後、神経細胞が集合している「神経幹」「神経節」を中継地として、末梢の器官に向けて伸びています。

〈神経伝達物質の違い〉
交感神経と副交感神経をそれぞれ構成するのは、中枢(脳・脊髄)から神経節(神経細胞の集まり)までで終わる「節前ニューロン」と、神経節からその先の器官や臓器に続く「節後ニューロン」です。
脳や脊髄などの中枢から出る節前ニューロンでは、交感神経、副交感神経ともに「アセチルコリン」により活動電位が伝わります。しかし、神経節以降の節後ニューロンでは、各器官や臓器の受容体に向けて、交感神経の伝達には「ノルアドレナリン」が、副交感神経の伝達には変わらず「アセチルコリン」が用いられます。
器官や臓器は、この放出される神経伝達物質の違いにより、どちらの神経が強く働くか判断できる仕組みになっているのです。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 182号」より抜粋

【ストレスの正体~自律神経が体に及ぼす影響~】その5

1.生命維持に不可欠な自律神経
(3)ストレッサーによる感情の変化が自律神経に影響を及ぼす 
〈自律神経は感情に反応する〉
急激な驚きや恐怖、怒りなどの感情を「情動」といい、大脳辺縁系が司っています。本来、情動は自律神経を支配している視床下部には直接届くことはありません。しかし、視床下部は大脳辺縁系の下にあるため、大脳辺縁系に生じた感情の刺激により、情報が伝達し、自律神経に指令を出してしまいます。その結果、恐怖や驚きなどの強い感情が生じると、交感神経が働き、心臓がドキドキしたり、血圧が上昇したり、冷や汗が出たりするのです。つまり、自律神経は間接的に大脳辺縁系の影響を受けているということです。
また、飛行機や乗り物が苦手な人がそれらに乗ることを考えただけで冷や汗が出たり、人前でスピーチすることを想像しただけで心臓がドキドキしたりすることがあります。これは、大脳皮質の思考情報が、すぐ内側の大脳辺縁系に伝わり、恐怖や不安などの感情を引き起こして、視床下部に伝わることで、交感神経が強く働くことにより起こります。
感情や精神状態に反応するときの自律神経の働きは、次の4つのタイプに分けられます。

①恐怖や驚き、怒りなどを突発的に感じた場合
→交感神経が極度に興奮して、短時間のうちに各器官に強い反応が現れる。

②持続的な不安や緊張がある場合
→交感神経と副交感神経の働きがバランスを乱し、体調を崩しやすくなる。

③失望や抑うつ、悲哀などを感じている場合
→交感神経と副交感神経はともに低下して、体の活動量が下がり、食欲不振や睡眠障害などの症状をきたすことがある。

④のんびりと休息をとり、リラックスしている場合
→副交感神経が優位となり、ほとんどの器官や感情は、興奮から解放される。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 182号」より抜粋

【ストレスの正体~自律神経が体に及ぼす影響~】その4
1.生命維持に不可欠な自律神経
(3)ストレッサーによる感情の変化が自律神経に影響を及ぼす
感情が変化することで、体にも変化が現れることがあります。このとき、体ではどのようなことが起きているのでしょうか。
自動的に働く自律神経は、脳内の視床下部からの指示を受けて、私たちの体をコントロールしてくれています。脳の構造や役割を知ることも、自律神経を理解するにはとても重要です。まずは脳についてみていきましょう。



〈脳の構造と役割〉
脳は大脳、脳幹、小脳に分かれています。大脳は、脳全体の約80%を占めていて、大脳皮質と大脳辺縁系に分かれています。
大脳皮質は、思考や感情、言語、記憶などを司り、大脳辺縁系は、食欲や本能的欲求、生理的な感情、喜怒哀楽などを司っています。
脳の奥深くに位置するのが間脳です。間脳には、感覚器からの情報を受け取る視床と、自律神経の司令塔になる視床下部があります。視床下部では、自律神経をコントロールし、生命維持のために呼吸、血液循環、体温、発汗、免疫などを調節しています。また、視床下部のすぐ下にある脳下垂体という場所は、ホルモン分泌を支配しています。間脳、脳下垂体、中脳、橋、延髄をまとめて脳幹と呼び、生命維持の中枢となります。
そして、脳幹の後方に、体のバランスや運動にかかわる小脳があります。

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 182号」より抜粋


【ストレスの正体~自律神経が体に及ぼす影響~】その3
1.生命維持に不可欠な自律神経

(2)交感神経は血管の収縮・拡張のどちらも担う!?

交感神経が優位に働いているとき、酸素や栄養素をより多く必要としているのは心臓や骨格筋です。そのため、これらの部分では酸素や栄養素などの物質を素早く細胞に届けるため、毛細血管は拡張されます。一方、生命危機に直結しない消化器官や皮膚などの末梢の毛細血管は収縮されます。



〈血管の役割と交感神経の働き〉

血管は、酸素や栄養素を含んだ血液を全身の細胞に届けるための道路です。血液に含まれる酸素や栄養素、ホルモンなどの物質は、毛細血管から出て細胞に届きます。このとき、毛細血管から細胞に届くのは、血管の透過性が関係してきます。透過性は、血管の収縮と拡張によって変化します。血管の表面には小孔と呼ばれる穴が開いており、血管が収縮しているときには穴が小さくなり、物質の出入りはほとんど行われません。一方、血管が拡張すると穴は大きくなり、物質は出入りができるようになります。

 

 

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会 発行「ほすぴ 182号」より抜粋

 
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